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2019年相次いだ「企業の不祥事」の裏側。レオパレスは早くも復活?

ビジネス

実はこっそりと処理されている案件も…

 これに加えて、上場企業での不祥事が表に出る例が増えたことには別の要因もあります。コーポレートガバナンス強化の一環で、上場企業には社外役員が必ず入るようになったためです。彼らは、不祥事が発生すると責任を問われたり、悪評が立てば次の社外役員のお声が掛からなくなったりしてしまいますので、すぐに「調査委員会を立ち上げて調べましょう」と主張。「TDnet」(東京証券取引所の運営する適時開示情報伝達システム)には、毎週のように「第三者調査委員会設置のお知らせ」が出るようになりました。

 最近では、上場企業に適用される「コーポレートガバナンスコード」が新興企業でも意外と徹底されており、不祥事に直面した際の、取締役や監査役への圧力は大きくなっています。今では多くの会社が気軽に調査委員会を立ち上げてしまいますので、こちらの方面の弁護士や会計士の先生は大繁盛で、不祥事が発生した場合、まず専門家を確保することが難しくなっているほどです。

 なかには不祥事の金額が小さい、横領後に弁済するなどで、刑事事件や民事裁判にもならず、こっそりと処理されている案件も世の中に意外と多くあります。

 私も(立て直し屋さんの立場で)横領事件を何度も目撃してきましたが、よく言われる、日本では「従業員が懐にお金を入れないけど、上司の指示には忠実に従って不正行為に加担する」といったような話は、本当かもしれないと思っています。人も組織も、動機や環境が揃ってしまえば、悪いことをする人は後を絶たない。法律や制度と悪意のいたちごっこは、これからも続いていくでしょう。

入居率低下も…レオパレスに出資者がいる

レオパレス

レオパレス本社

 それでは次に個別の話です。2019年の不祥事企業でもあり、今も入居率の低下が止まらないレオパレスについて見ていきましょう。ご存知の通り、レオパレスは2018年放映の『ガイアの夜明け』(テレビ東京)などをきっかけに、自社が施工した物件に「壁がない」ことが発覚。

 2019年に入っても新たな施工不良物件が発見されるなど騒動は収まらず、入居率の減少が続いていました。補修工事が完了してCMを再開し、個人や法人の新規顧客の流入がまた増加に転じるまでは、経営的に非常に厳しい状況が続くと想定されます。

 そんな赤字の会社レオパレスに、旧村上ファンドの「レノ」が保有割合12.17%、他にも外資系ファンドの「Odey Asset Management LLP」が15.46%、「Morgan Stanley & Co. LLC」が9.54%、国内系の「アルデシアインベストメント」が16.10%(いずれも2019年12月13日時点)などと、大量投資が行われています。それを受けてか、4月に200円を割った株価は、10月に300円台を回復し、そのまま12月16日には367円の高値をつけています。

 一体なぜでしょうか。もともとレオパレスは、賃貸物件のオーナーと契約し、多くの契約件数を抱え、大量のCMを打つことで法人や個人の認知度を上げ、固定で管理費や家賃を吸い上げる安定した事業モデルで経営をしています。こちら「賃貸事業セグメント」が前期(2019年3月期)では全社売上の8割超を占めています。

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