ファミマ、希望退職を募集。「給与に満足」の声も職場環境は…
希望退職者を募る理由は
加盟店への支援を手厚くすることを発表したファミリーマートだが、なぜ全社員の1割に及ぶ希望退職者を募るのだろうか。その理由として現在の店舗数に合わせた人員体制の適正化があげられている。
ファミリーマートは伊藤忠商事傘下のコンビニで、2016年9月にサークルKとサンクスを展開していたユニーグループ・ホールディングスを経営統合。以降は、「One FamilyMart」というスローガンを掲げサークルKとサンクスのファミリーマートへのブランド統合を進めてきた。ブランド統合は昨年11月に完了し、約5000店舗のサークルKとサンクスがファミリマートへと姿を変えた。このブランド統合と同時に進められたのが、不採算店の閉鎖だ。ファミリーマートの国内店舗数は2016年度では1万9000店舗以上あったが、2019年10月31日の発表では1万6504店舗まで減少している。
希望退職者募集の理由としてあげられている「現在の店舗数に合わせた人員体制の適正化」の背景には、3年間で約3000店舗ほど減少したこういった現状があるだろう。今後は地域に密着した組織づくりをテーマに改革を進めるとしており、店舗数を増やして拡大するという方法とは別の方向性が示唆されている。
現在のファミリマートの従業員数は、連結で1万5139名(2019年2月末)と公表されている。「Yahoo!ファイナンス」によると平均年収667万円。なおファミリーマートと並んで大手3社と称されている2社の平均年収はローソンが638万円で、セブン&アイ・ホールディングスが736万円である。
仕事のツラさは運しだい?ファミマ社員の声
コンビニ業界は24時間365日営業が問題となるなど、労働環境が注目を浴びたことも記憶に新しい。実際にファミリーマート本部で働いている人はどのように思っているのだろうか。年間2000万人が訪れる企業の口コミ・給与明細サイト「キャリコネ」に寄せられた口コミから紹介する。
はじめに残業や休日出勤について触れられている口コミを紹介したい。やはり、24時間365日営業の加盟店と仕事をする本部の難しさが語られている。
「労働時間に関してはかなり見直されてきています。ただし、勤務地に大きく左右されます。勤務地の担当する店舗事情により、かなり楽をする担当もいれば地獄を見る担当もいます。運次第です。
会社は労働環境を変えていこうとしていますが、営業先が24時間営業のため時間が合わない場合や、営業先はほぼ休みなく働いている中での勤務時間見直しのため軋轢もあったりします。
この会社だけではなく、業界全体の問題だと思われます。休日出勤した分は基本代休取得を推奨されますが、忙しい中で無理に休んでいる印象でした」(販売アドバイザー/30代前半男性/正社員/年収550万円/2016年度に関する口コミ)
営業時間については今後見直しはされていくだろうが、コンビニ業界の現状は働いている人を困らせることも少なくないようだ。