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仕事に悩む同僚を励ますときの英会話「まだまだできることはあるよ」

コラム

 もちろん、There is a limit for what you can do.とか、You cannot do everything.と言うことも可能です。間違えではないですが、「いかにも日本語を訳したな」というのがわかってしまう表現。

 多くの通訳者や翻訳者は、もちろん正しい訳出も大切ですが「オリジナルの表現が透けて見えない表現」に訳すことを目指しています。そうでないと、「一生懸命に訳したな」とか「何か不自然な表現だな」と思われてしまいます。

相手の努力を認めるメッセージ

Young businessman

 似たような状況に使われる表現で、It cannot be helped.が思い浮かんだ人もいるかもしれません。「仕方ないよ」「どうしようもないよ」という意味の表現として暗記した人も少なくないでしょう。

 これも間違えではないですが、めったに耳にすることがないですし、表現のニュアンスとして、あまり相手を励ましているイメージはありません。

 どちらからというと、完全にお手上げ状態。少し投げやりな印象もあります。それに対して、There is only so much you can do.は「あなたはできることをすべてした」と、相手の努力を認めるメッセージが暗に込められています。

 There isで文章を始めずに、You can only do so much.でももちろんOKです。

人手が足りないときに使える英会話

 As a parent (teacher), you can only do so much to help your child (student).は、「親(教師)として、子供(生徒)のために、いろいろしてあげると言っても、それには限度がある」などはよく言われることです。

 MuchをManyに入れ替えれば、可算名詞で文章も作れます。お客さんからの注文が一度にまとまって届き、仕事が追いつかないことがあるでしょう。人手が足りないときです。

 そんなときにはThere are only so many of us in this office.です。「職場にいる人数は限られている」と言えます。Onlyを抜かしてThere are so many of us in this office.だと「職場にはたくさんの人がいる」となります。

 前者だと「だから仕事が大変だ」の意味ですし、後者だと「だから仕事は楽にできる」です。たった1単語ですが、正反対の意味になってしまいます。

<TEXT/木内裕也>

会議通訳者、ミシガン州立大学研究者。アメリカ大衆文化、アメリカ史の研究を行うほか、国際一流企業、各種国際会議などの通訳を行う。またプロサッカーの審判員としても活躍。著書には『同時通訳者が教える 英語雑談全技術』『耳と口が英語モードになる同時通訳者のシャドーイング』(ともにKADOKAWA)など多数。英語で仕事をする人の応援サイト「ハイキャリア」にも執筆

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