住友林業、“木造”70階建てビルを計画。実現できるのか聞いてみた
実現すれば、環境・雇用にメリットも
――建物の木質化によって環境問題にコミットできるというのが、W350計画の大きな意義ではありますが、それ以外にも何かメリットなどございますでしょうか。
中嶋:我々は木造の建物で仕事や生活をした時に、人々のパフォーマンスがどのように向上するのかについてエビデンスを積み上げ数値として示せるよう日々研究しております。
また、木の価値を認めてもらい、どんどん木を使っていただけるようになれば、そのぶん植林と育成が必要になります。資源が循環し、新たな雇用機会も生まれます。これが地域創生のきっかけになるのではないかとも考えております。
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現在、住友林業ではW350計画実現に向けて30m、100m、200mと段階的に木造ビルの建設を予定しており、すでに筑波研究所の新研究棟(15.3m)が木造で完成している。
今では途方もない計画のように思えるが、技術の進歩によって、2041年には「350mの木造ビルを建てる」と言っても誰も驚かない時代になっているかもしれない。
<取材・文・撮影/けんぢる>