イオン「台風でも営業」は本当か。広報に聞く、生活インフラ企業の責任
10月13日に上陸した台風19号。SNS上では「イオンが、台風上陸時も営業していた」などのコメントが見られ、「非常識」「ブラック企業では?」などの批判が集まった。
実は、台風や地震などの災害発生時には、国や地方公共団体と連携して対処する「指定公共機関」というものが存在する。従来、道路や鉄道などのインフラに関わる民間企業が指定を受けていたが、2017年からは新たに小売り業も加わった。
指定公共機関のスーパー。その役割とは
2019年10月時点で指定を受ける小売りは、イオン・イトーヨーカドー・セブンイレブン・ファミリーマートなど7社に及ぶ。
今回、bizSPA!取材班では、イオン株式会社のコーポレート・コミュニケーション部の山崎浩史さんに、指定公共機関の役割、台風19号での対応について話を聞いた。
指定公共機関の指定を受けた理由について、山崎さんは「生活インフラ企業として、災害予防・応急対策・復旧支援などで責務を果たすためです」と語る。
小売り企業が持つ指定公共機関の役割として、まず物流支援がある。支援方法は2つあり、被災地の店舗は内閣府から要請依頼を受け、必要不可欠と見込まれる物資を調達する「プッシュ型支援」と、被災した自治体から要請を受けた物資を調達する「プル型支援」がある。
また、発災直後から店舗を地域住民や帰宅困難者などが集まれる「一時避難場所」を開放する役割もある。
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