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新築の半額も。好条件な中古物件を見分けるポイントとは

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建築基準法改正前の物件は「要注意」

リスク

 とはいえ、中古物件は築年数や経年劣化という避けられないリスクも伴うものだが。

「築年数だけで判断すべきではありません。その物件ごとにしっかり良し悪しを見極めて判断すべきです。つまり、その物件が建てられてから現在まで、そしてこれからの管理状況によって建築物の寿命は大幅に変化するということです。

 国土交通省が2013年に『RC造(コンクリート)の寿命に係る既往の研究例』という報告書をまとめています。それによると、建物の滅耗度と実際の使用年数との関係から、鉄筋コンクリート造建物の物理的寿命を117年と推定という見解が記載されていました」

 よほど劣悪な管理状態にさらされでもしない限り、鉄筋コンクリートで作られている建物は100年くらい保つという。

「ただし注意すべきは1981年6月に改正された建築基準法の新耐震基準です。これは中古の物件探しをする上でひとつの目安と考えてください。1981年以前の建物は旧耐震基準を根拠に建てられています。当然ですが、新耐震の要項をクリアしている建物よりも耐久性は低いと言わざるを得ません」

 やはり自分の目でしっかり中古物件の現状を確認することがまずは大事ということだ。

中古物件を購入する前に頭に入れておきたい知識

 これらを踏まえたうえで、中古物件を購入する前に、抑えておきたいポイントは次の5つが挙げられよう。

・中古物件は価格がリーズナブルで好立地の案件も多い。新築にこだわらないのであれば掘り出し物に出会える確率も高くなる。

・マイホームは新築という考えは過去のもの。中古なら新築の半分の予算というローコストで購入が可能。

・中古は築年数だけで判断すべきでない。管理状況の良し悪しなど、物件ごとの判断が重要だと言える。

・国土交通省の報告によれば鉄筋コンクリートは100年は持ちこたえられる堅牢性がある。

・1981年の新耐震基準については物件の耐久性の目安にしておくべき。

 ポイントを理解した上で自分の身の丈に合った理想のマイホームを探そう。

<取材・文/永田明輝>

1977年、兵庫県生まれ。O型。建築的なアプローチだけでなく、ファイナンシャル・不動産的視点は元より、カテゴリーやジャンルにとらわれない視点を持ち、ゼロリノベを通して新しい「住まい」を提案している

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