家を買うなら新築か、中古リノベか?プロが分析する得な選択
アラサーともなれば、一度や二度はマイホームの購入が頭をよぎったことがあるのではないだろうか。しかし実際に検討段階に入ると様々な不安点が障壁となるはず。ローンはいくらで組むか、新築か中古か、そもそも場所をどうするか。
恐らく人生で一番高い買い物になるだけに慎重になることに越したことはないが、何を指針にして動けば良いかわからない……。そんな悩めるbizSPA!世代(25~30歳、年収400万~500万円を想定)に向けてお送りしたいのが当記事である。
資産性のある中古物件やリノベーションの設計施工に特化した独自の不動産ノウハウが持ち味の「ゼロリノベ」で取締役を務めている一級建築士の西村一宏氏に、単身男性に向けた不動産購入の実践的なアドバイスを聞いた。第1回目は「不動産探しの前に知っておくべき知識」だったが、第2回目(全5回)は不動産購入時に必要な「お金」に関する知識を紹介する。
悪徳仲介業者を見分ける方法
大金がからむ不動産の購入において「お金の失敗」は絶対に避けたい。その大前提として、ハズレ物件や詐欺業者に引っかからないことが大事。
「残念ながら、信頼性に疑問符が付いてしまう不動産仲介業者も少数ながら存在します。まず言えるのは、物件調査をおろそかにしている業者は避けたほうがよいでしょう。聞いていた説明と現物に相違点が多々あったり、具体的な根拠は提示せずに抽象的なセールストークしかしない場合は良くありません。
また、お客様に資する視点ではなくて、どちらかというと会社側の視点で対応しようとする業者も注意が必要です。そういった仲介業者は、社の方針が『売り上げ至上主義』に染まっていたりするので、ゴリ押し営業も平気で仕掛けてきます。
しかも売ったら売りっぱなしだからアフターサービスも期待できません。ユーザーのみなさんは仲介業者=建築のプロではない、ということを知っておくべきです」
物件の安全性について知りたければ仲介業者ではなく、建築のプロである設計士や建築士に聞いたほうがよさそう。万が一、このような悪徳仲介業者に引っかかってしまうと、せっかくのマイホームが後悔の対象になりかねない。
ローンを組む際に利用できる制度は
さて、住宅購入の際は「住宅ローン控除」や「すまい給付金」といったお得な制度をフル活用したいものだが、それぞれ概要はどうなっているのだろう。
「“住宅ローン控除”は、ローンを組んで住宅を取得(新築・購入・増改築など)したとき、各年末ローン残高の一定割合に相当する金額が13年間にわたり所得税から控除される、という減税制度です。控除される金額の詳細については、金融機関系のサイトに無料で利用できるシュミレーション用の返済額試算表があるので、そちらが参考になるかと思います。
一方、“すまい給付金”は、住宅ローンを組んだ人がその年収に応じて現金をもらえるというありがたい制度。ただし利用には諸条件があって、年収の条件は510万円以下の人が対象になっています。また、基礎給付額も年収によって異なり、10月1日からの消費増税に伴って、すまい給付金も増額されました」
ちなみにbizSPA!世代が想定する年収400万~500万円だと、すまい給付金は以下のような給付額に収まるという。
・年収450万円以下の場合=50万円
・年収450万円~525万円以下の場合=40万円
※上記の例は扶養者が1人の場合
どちらもマイホーム購入時に利用すればお得な制度だと言えそうだ。