休日DJにハマる、朝日放送・20代営業マン「趣味がないと病み続ける」
仕事もあるので、趣味は3か月に1回
――やっぱり自分でDJをしたほうが楽しいですか?
里森:断然、楽しいです! 今でも誘われたらクラブに行ったりしますが、DJのパフォーマンスのテクニックだったり、空間の作り方みたいなところに目が行ってしまって、あまり純粋に楽しめなくなってしまいました(笑)。単に自己顕示欲を満たしているだけなのかもしれないけど、知り合いをたくさん呼んで「DJできるの!?」とちやほやしてもらえるのが嬉しいんです。
――どのくらいの頻度でDJをしていますか?
里森:仕事もあるので、3か月に1回くらい。クリスマスとかハロウィンのような季節のイベントがあるときや、自分の仕事が連休のときにやっています。
――パーティにはどういった関係の人が来るんですか?
里森:僕個人としては仕事で関わっている人を呼ぶことが多いですね。同期社員とか、広告代理店の方が1番多い。あとは地元の友達で東京に来ている人とか。それぞれ自分の友達を連れてきたりするので、本当にいろんな人が集まります。
仕事と趣味を切り離したいとは思わない
――仕事関係が多いとは意外です。仕事と遊びとを切り離したいとは思わないんですか?
里森:そんなに思わないですね。この業界ってちょっと独特で、テレビ局の人と広告代理店の人がプライベートの友達みたいな付き合い方をすることが多くて、土日も一緒に遊ぶとか普通にあるんですよね。
普通の会社だとめちゃくちゃ取引先感あると思うけど、長期休みに一緒に旅行に行く人もいるし、そのくらい距離感が近いんです。だからそんなに気も使わないし、切り離したいとかはないですね。
――となると、パーティ中にも営業トークが始まったり……?
里森:それはしないです。向こうもこっちも余暇の時間ですからね。個人的には、平日にビジネス的な会食をして仲良くなるよりも、土日の遊びの面でまず仲良くなったほうが良い人間関係を築けるのではないかなと思っています。
そのほうが、趣味の話とか雑談も自然にできるし、お互いに素に近い状態を知ることができる。営業につなげようというのも意識しすぎず、とりあえずみんなで盛り上がりましょうっていうのを第一にしています。
仕事では得られない“趣味による自尊心”
――趣味を見つけるにはどうすればいいですか?
里森:誰にでも言えることだと思うけど、いろんな人と関わるのが大事だと思っています。人の趣味の話は、自分がまったく知らない領域でも根掘り葉掘り聞くようにしているし、面白そうだったら教えてくれってお願いしています。
――ずばり、ここまで趣味に没頭する動機は?
里森:結論は“自尊心を保ちたい”ということですかね。鍵付きでInstagramをしているんですが、自分がDJをする様子や自作の料理の写真をアップすると、知り合いから「いいね」がついて、心が満たされるんです。
もちろん仕事の成果でも自尊心を満たすことができるのですが、趣味で満たされるものとは種類が違うと思っています。仕事ではコミュニケーション能力や交渉力が評価されるけど、趣味では自分の手で作り出したコンテンツが評価してもらえているという充足感があります。
――もし趣味が何にもできなくなったらどうなりますか?
里森:どうなるだろう、もうたぶんずっと自信持てなくなって病み続けるかも(笑)。
――最後に20代読者に向けてメッセージをお願いします。
里森:仕事だけで自尊心を保とうとすると、仕事の人間関係がすべてになってしまって、他の情報が入ってこなくなってしまいます。出来るだけ広く多くの人と関わるきっかけとなって、価値観や視野を広げてくれるのが、趣味。それがなんの役に立つのかはわからなくても、自尊心を満たしてくれる場所をいくつも作っておくといいと思います。
<取材・文/ミヤケイツキ>