「35年住宅ローン」にビビっている若者に教えたい“リスクの話”
ローンの支払いを年収の25%未満に抑えよう
また、将来の破綻を避けるためにひとつ知っておいてほしいことがあります。
それは、年収に占める総返済負担率で、統計的有意に破綻率は変わってくる、ということ。破綻率0.43%の中でも、返済の余裕をどの程度持っているかによって、変わってきます。
住宅ローンの支払割合を年収の25%未満に収めたグループと、年収の25%以上にしたグループでは、破綻率におよそ2倍の開きがあることがわかっています(2015年・三井住友トラスト基礎研究所の調査)。
つまり年収500万円の人は、住宅ローンの支払割合を25%未満の月10万円に収めれば、データ上はほぼ安全です。月10万円で変動金利0.6%、期間35年で組むと、借入可能金額は3787万円。そこから頭金を足した額が安全圏でマンションを買える予算となります。思ったより借入金額が多くなるのは、金利が相当低いからです。
いや、わかります。それでも大きなお金を借りるのは怖いですよね。
住宅は“転売可能な商品”と考える
それでは、こう考えましょう。住宅の購入は、耐久消費財を買うのではなく、転売可能な商品を買うのだと。
メルカリを日常的に使う世代ならこの感覚はわかるはずです。あなたが買った住宅の現在価値と、住宅ローンの残高の差額が「あなたの資産」ということになります。住宅ローン減税がありますので、金利1%以下で借りることができれば、住宅ローンを毎月支払う額はほぼそのまま残債が減っていきます。
もし住宅ローンの返済が月10万円なら、値段が下がっていくスピードが元本充当分の毎月8万円より低い物件を選ぶことで、住宅ローンで「破産」ということはなくなります。売ってしまえば物件価値のほうが大きいからです。
そんな物件あるの……? あります。人口減少の世の中にあっても東京都の人口は増え続けます。これからも人口が増える地域は値段が下がりにくいのです。逆に人口がこれから減っていく地域で全力買いするのはあまりおすすめできません。世の中には賃貸で済むならそうしたほうが良い地域もあります。
こう考えると、少しは肩の荷が降りる気がしませんか? コンマ数%のリスクのために、尻込みする必要はないと思いませんか?
<TEXT/のらえもん>