エアコンつけっぱなしは損か得か?メーカーに聞いた節約術
これからも連日続く猛暑を乗り切るために、エアコンの存在は欠かせない。気象庁の予報によると、東京で夏日が終わるのが9月25日だそうだ。
一方で頭を悩ませるのは、エアコン使用による消費電力。エアコンで快適な温度に調節した部屋で過ごしながらも、出費を抑えなければいけない焦りが頭の片隅から消えない日々が続く。
そこで、エアコン専門家であるダイキン工業広報の重政周之さんに、上手な節約方法を聞いた。
お手軽な3つの工夫で20%の電力節約に!
エアコンの節約は難しい、面倒くさいといったイメージが付きまとうが、実はいくつかのポイントを抑えるだけで節約に繋がってくる。重政氏は「3つの簡単な工夫をするだけで約20%の節電効果が見込める」と語る。
「1つ目に大事なことは、日よけをして部屋の中に入ってくる熱を減らしてあげること。外からの直射日光が窓を通過して部屋の中に入ってくると、どうしても室温は上がってきてしまうので、たとえば窓の外に『簾(すだれ)』や『よしず』、もしくはグリーンカーテンなどを設置すると効果が見込めます。部屋の中でもカーテンをしっかりひき、直射日光による室温上昇をなるべく抑えることが必要です」
レースのカーテンだけでは、部屋の中までたくさんの熱が入ってきてしまう。そこで、日差しの当たる窓の外に日本古来のすだれなどを設置することで熱を遮断し、部屋の温度上昇が抑えられるのだ。次に挙がった工夫は、フィルター掃除。
「室内機が稼働しているときに、部屋の中の空気に含まれているホコリをとどめておいてくれるのがフィルターの役割で、ここを定期的に掃除しないとホコリが蓄積していってしまいます。蓄積したホコリによって空気の通りが悪くなるとエアコンの運転効率が下がってしまうので、なるべく清潔な状態を維持してほしいです」
掃除のタイミングの目安としては2週間に1回、掃除機でフィルターのホコリを吸い取るだけで問題なく、エアコンにフィルター掃除の機能がついていれば、エアコンに任せてしまって大丈夫とのこと。
室外機のまわりに物を置きすぎない
しかし例外として、キッチンとリビングが仕切られていないワンルームなどではエアコンがホコリとともに空気中の油分を吸ってしまうことがあるので、その場合は中性洗剤を溶かしたぬるま湯でつけ置き洗いする方法があるという。
3つ目の工夫は、室外機のまわりに物を置きすぎないということ。
「室外機って、壁との間に隙間をとっていますよね。実は、あの後ろの面から吸い込んだ空気を正面から出してあげているんです。そうしてできた空気の流れに、室内機から送られてきた熱を一緒に乗せて送り出してあげる役割を果たしているんです。ですから、室外機のまわりに物を置いてしまうと、空気を吸い込みづらくなったり、前に風を吐き出しづらくなったりします。結果的に運転の効率が下がってしまうので、消費電力が増加します」
室外機のあるベランダはゴミの日までのゴミ袋の置き場所に使われたりと、油断すると物がたまりやすい場所だが、少なくとも室外機周辺は物が散らからないように気を付けたい。
重政氏によると「ダイキンでは上記3点の効果の検証実験を行っていて、上にあげた3つの対策を行うことにより、1日あたり22%前後の消費電力を削減できると実証されている」という。