就活セクハラ被害女性が語る「パニックになった時」の対処法
話すか、動くか。絶対に1人で抱えないで
内藤:就活セクハラをしている人が問題視されて、少しでもそういう人が減っていけば良いのですが……。
でも事実、セクハラを受けたことがある人は世間が思っているより多いのかもしれません。セクハラを受けていながらも、表で声をあげられなかったり、周りにも相談できない人がやはり多くいるんですかね。
笹川:そうかもしれないですね。私自身、あるきっかけがあり、つい最近、親に初めて話しました。その場合は余計な心配をさせたくなかったのと、性的な内容でもあるので話しにくかったんですよね。別に自分は何も悪いことしていないのに。
あとは就活生であれば内定取り消しになったらどうしようとか、周りになんて言われるか怖くて言えなかったり、言っても無駄だと思ってしまう人もいるみたいです。
内藤:声を上げられずに、泣き寝入りするしかなくなっているのが現状なんでしょうか。
笹川:そうですね……。でも、私から伝えたいのは「一人で塞ぎ込まないで相談してほしい」ということです。私も最初、漫画で就活セクハラについて描く時は抵抗が全くなかったかというと嘘になります。
SNSという性質上何を言われるかわからないですし。でも、漫画を公開したことで様々な意見をいただくことができて、就活セクハラにあった当時も周りに相談していれば、自分には考えつかないような対応策を提案してもらえるかもしれないと思いました。
内藤:なるほど。あとは、周りに話すことで気持ち的にも良い面がありそうですね。
OGOB訪問やインターンでも用心して
笹川:周りに話すことで心の負担は軽くなるかもしれないです。就活セクハラを受けた時は、抱え込まず周囲か警察に相談するなど、可能な限りで構わないのでアクションを起こしたほうが良いと思います。
たとえ結果が望みどおりにいかなかったとしても、行動することで後悔は残らないかと思いますね。私はそれができなかったので、後悔だらけになりました、なので同じ思いはしてほしくないです。
内藤:なるほど……できるだけ多くの人に後悔しないでいてほしいですね。これから就職活動が始まり、OGOB訪問やインターンシップなどで、学生が社会人と接する機会が多くなるでしょう。
そんなときに頭のどこかに「就活セクハラ」というものがあるという事実を知っておくことは大切かもしれないですね。その上で、自分の成長のためにも社会人から多く学ベると良いですよね。
笹川:そうですね。これから就職活動が始まる方、ぜひ頑張っていただきたいです。応援しています。
内藤:今日はお話を聞かせていただきありがとうございました。
<取材/内藤光希 文/橋口和奈 イラスト/笹川めめみ>
【笹川めめみ】
エッセイ漫画家。1992年生まれ。関西在住。広告卒業後、就職活動を経てブラック企業に入社。精神疲労し、1年近くニートをしながらインスタグラムで自身の体験を綴ったエッセイ漫画を描き始める。現在は印刷会社で一般事務をしている。リアルな体験談がコミカルに書かれた漫画が大人気。インスタグラム(@mememis888)フォロワー数は3万人