就活セクハラ被害女性が語る「パニックになった時」の対処法
就職に向けた夏季インターンシップがスタートするこの時期。気をつけたいのが、「就活セクハラ」だ。日本労働組合総連合会が行った調査では、20代女性の12.5%、20代男性の21.1%が、就活セクハラを受けた経験があるという(2019年5月インターネットで調査、対象は就活経験者835人)。
前回の記事では、過去に就活セクハラを受けたというエッセイ漫画家の笹川めめみさんに、就活セクハラのリアルな経験談を伺った。
しかし、自分が被害を受けたということを発信することに抵抗を感じてしまい、泣き寝入りする学生もいる。今回は実際にそういった場面に出くわした時にどうすべきかという対策について話を聞いた。
就活セクハラの対処法「証拠を残す」
内藤光希(以下、内藤):前回は、笹川さんご自身の経験や後悔について伺いました。ツラい経験を漫画としてインスタグラムで発信することで、就活セクハラとその対策についての認知が広がれば、同じようなに泣き寝入りする人が減るかもしれないですよね。
今回は、具体的に就活セクハラに合わないための対策や、また就活セクハラの現場に遭遇してしまった場合の対処法があれば教えてください。
笹川めめみ(以下、笹川):最近、就活セクハラの事件が報道されていることから考えても、就活生自身があらかじめ防ぐことは難しいかもしれないです。ただ私の後悔をもとに伝えると、「これはセクハラだ、嫌だ」と思った時に、証拠を残すことはしておいたほうが良いかもしれませんね。
内藤:それこそ、ボイスレコーダーで録音をしておくということですね。
笹川:はい、最近は携帯にも録音機能がついてるので簡単に音声を取っておくことができるようになっていますよね。
内藤:録音を取っておけば、それが証拠になり、あとで何かしらアクションを取ることができるようになりますね。
パニックになってしまった場合は…
笹川:ただ、これは実際の場面では実践できない人も多いかもしれないです。というのも、私が被害に合ったのは居酒屋でしたが、面接の場で同じようなことに遭遇した場合に録音を始めるのは難しいですよね。また、実際にその場に遭遇すると、パニック状態で「録音をしよう」というところまで頭が回らないと思います。実際、私もそうでした。
内藤:たしかに、そう冷静ではいられませんよね。
笹川:もしパニックになってしまった場合は、録音とかはどうでも良いので、とにかく自分の身を守ることだけを考えてほしいです。どうしても相手が面接官や目上の人だと、その後のことを考えてしまうんですよね。「不合格になったらどうしよう」とか「この会社や人との関係性は今後どうなるんだろう」とか。
でも、そんなことは考えなくて良いです。冷静に考えれば、就活セクハラをするような人と一緒に働くほうが将来不安だと思うんですよね。なので、「この人はおかしい」「これはセクハラだ」と思ったら、迷わず自分の身を守ることだけを第一優先に考えてほしいです。