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不祥事で視聴率がアップする皮肉なセオリー、闇営業からベッキーまで

暮らし

ベッキー不倫からの復帰で最高視聴率

金スマ

※画像は公式サイトより

 こうした不祥事によって、皮肉なことに高視聴率がもたらされるケースは過去にも存在する。

 2014年10月放送の『情報ライブ ミヤネ屋』では、不倫騒動で活動休止していた元モー娘。の矢口真里が1年5か月ぶりに仕事復帰し、1時間以上にわたって、謹慎生活を語った。平均視聴率もこの時間帯では好調の10.0%を記録。

 あるいは同じく不倫騒動で謹慎していたベッキーが、104日ぶりに地上波に復帰した2016年5月放送の『中居正広の金曜日のスマイルたちへ』。この日の放送は、これまでの最高平均視聴率22.8%を上回る24.0%だった。

 あるいは2016年7月30日放送の『めちゃ×2イケてるッ!夏休み宿題スペシャル』では、過去の淫行事件で謹慎処分していた極楽とんぼの山本圭壱が10年ぶりに地上波復帰したが、このときの平均視聴率は、同年最高の11.9%だった。

編集によって“消された”姿を見たい視聴者?

アメトーーク

※画像は公式サイトより

 ただし、いずれの番組も長期間にわたる謹慎からの復帰だからこその高視聴率だ。今回のケースのように、「まだ謹慎中にもかかわらず視聴率にプラスの影響が及ぶケースは珍しい」と語る声もある。

「視聴率がアップした原因は、当然、放送局や番組スタッフがどうやって不祥事に対応するのか見たいという視聴者心理もある。事実、『アメトーーク!』では宮迫さんが、編集によって“消された”ことが、ネットで話題になってましたから」(テレビ関係者、以下同)

 テレビ番組の編集技術がここまで注目を集めるのは珍しいという。

「あとは『アメトーーク!』の編集技術もスゴかった。よくあるスタジオ収録のバラエティだと、収録時点でカメラを切り替えて、カット割りも同時に行う(スイッチング)のですが、『アメトーーク!』はすべてのカメラで収録を撮って、あとで編集するスタイル。

 このやり方だと素材がたくさん残るため、編集に手間がかかる一方、芸人の細かいフリを取り逃がさないようにする演出のメリットもある。今回も、豊富な収録素材が残っていたため、宮迫さんの姿をうまく編集できたのでしょう」

 11日は謹慎処分後、2度めの『アメトーーク!』放送がある。宮迫の復帰タイミングも気になるが、視聴率はどうなるのか。

<取材・文/シルバー井荻>

平成生まれの編集者・ライターです。赤羽と阿佐ヶ谷に出没します。ビジネスサイトの編集長もやってました。

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