働き方改革で、仕事環境は本当に良くなった?10人に1人が「悪化した」
長時間労働の解消や、正規・非正規社員の格差改善、さらには高齢者就労の促進など、数々の目標を掲げて今年4月よりスタートした「働き方改革」関連法。
まだスタートしたばかりですが、今の時点で働いている人たちへの影響は、どれくらいあるのでしょうか。
株式会社ワークポートが全国の転職希望者とSNS利用者を対象に実施した「働き方改革開始後の変化」に関するアンケートを実施しました。
働き方改革スタート後、会社の制度やルールは変わった?
「働き方改革開始後、自身の勤める会社の制度やルールに変更があったか」という質問に、「あった」と感じる人は31.1%でした。
内容としては、「ノー残業デーの徹底」「プレミアムフライデー導入」「有休取得が1時間単位で可能になった」など、残業時間を減らし、有休休暇の取得を促進する取り組みが目立ったようです。
しかしながら、「なかった」と回答する人は42.9%、「わからない」は26.1%という結果となりました。合わせると半数以上の人が変化を実感できていないということになります。今後のさらなる浸透策が求められているのかもしれません。
開始後も、自分の働き方は変わらないと感じる人が8割
「働き方改革開始後、自分の働き方は変わったか」という質問に、「改善された」と回答した人はわずか7.5%という結果に。
改善されたと回答した人からは「総労働時間が削減された」「仕事を効率的にするようになった」と、残業時間の縮小に対して、良い方向に意識が変化している声もあります。
しかし、これら肯定的な回答を大きく上回ったのが「変わらない」79.6%、「悪化した」12.9%という回答。このように答えた人からは「残業時間を減らされたことにより仕事が終わらず、たまる一方」「残業時間としてカウントされる時間が減った」という背景が語られました。
10人に1人以上が「自分の働き方が悪化した」と感じている働き方改革。よりよい改革のためには、政府の方針に沿って単に残業時間を減らすのではなく、これまで残業で補っていた仕事を定時内でより効率的に行うために、それぞれの企業が代替策を綿密に練っていく必要があるでしょう。