年商100億円の農業ベンチャー。倒産寸前だった”大騒動”を乗り越えて
令和時代に流行ると目される注目の野菜
タキイ種苗が調査した「2018年 平成最後の野菜の総括」を見てみると、昨今、消費者の野菜への意識が変化していることが分かります。
「野菜を買う手段が増えた」(58.1%)「野菜を売りにしたレストランが増えた」(58.1%)「野菜を選ぶとき、含まれる栄養素を意識するようになった」(46.1%)と回答している人が4割を超え、昨今の健康志向が反映されている結果が出ています。
野菜を買う手段が増えた背景には、八百屋やスーパーだけでなく、コンビニやドラッグストア、オンライン購入の普及が挙げられると総括しています。
また、令和時代にもっとも流行る野菜は、スプラウト(14.8%)という調査結果も出ています。2位にパクチー(14.2%)、フルーツトマト(13.2%)、ビーツ(11.6%)、アイスプラント(11.3%)と続きます。
栄養が豊富で、価格が安定している、そして見栄えも良い豆苗は、栄養素を意識して野菜を摂取する現代人に好まれる野菜なのではないでしょうか。もしかすると、豆苗は令和を代表する野菜となり、定番の一つになるかもしれませんね。
国内販売額は「過去最高の100億円」を記録
「カイワレ大根の風評被害からよくここまで持ち直したと思います」
「ひたすら前を向いて努力をする会社の姿勢、見習いたいものです」
インターネット上では、村上農園の復活劇に多くの人が感銘を受けています。村上農園は、生産センターの機械化や、研究開発によって、豆苗の出荷量はここ10年の間に11倍まで拡大しました。さらに同社は、2018年12月期の国内販売額において過去最高の100億4300万円を記録しました。
村上社長は、「現在の農業モデルは限界を迎えつつあり、新しいモデルが求められている」という主旨のことを語っており、番組の最後にナビゲーターの村上龍氏から、「将来の農業にとって大切なものは何か」と問われると、「常に、いま世界にある技術を農業の中に取り入れて革新していくこと」が大切だと答えました。
村上農園は、2020年には北海道と宮城県において大規模な生産施設の稼働を計画しており、海外に向けて生産技術のライセンス供与なども進めているそうです。そして、2035年までに世界一の施設野菜メーカーになることを目標に掲げています。
現在の農業の在り方を大きく変えるパイオニアとして村上農園が知られる日が来るかもしれません。
<TEXT/湯浅肇>