もうひとつのW杯「独立サッカー連盟」国際大会を紛争地域でサラリーマンが観戦してきました
CONIFAに加盟しているチームは、自分たちの国がない、または少数派である民族がほとんどで、自分たちのパスポートを持てないことがあります。
Székely Landの選手はハンガリー人ですが、2011年頃まではルーマニアの、異民族のパスポートが発給されていました。(現在は通常のパスポートが取得可能)。また、アブハジアは未承認国家ですから、自国で親善試合をやることすら容易ではありません。
日本をはじめ、いわゆる西側諸国はアブハジアに退避勧告を出しており、2016年の大会は治安を理由に数チームが出場を辞退しました。
街のいたるところに戦争の傷跡が
国内には内戦の傷跡が残り、至るところに廃墟が残っています。そんなところで国際大会を開催することにも大きな意義があります。
CONIFAワールドカップは、そんな普段は陽の当たらない人たちが、自らの旗を掲げ民族をアピールできる貴重な場なのです。
私が観戦した試合は1-0でUnited Koreans in Japanが勝ちましたが、得点の場面など地元の観客が大いに盛り上がったことが記憶に残っています。試合後はFCコリアの選手にサインを求める若者が大勢いました。
日本ではアマチュアの選手にすぎませんが、アブハジアの若者からすれば、各国から集まった選手たちは国の代表でスターだったのでしょう。
日本のアマチュアクラブが勝てるのですから、彼らのサッカーのレベルは高くはありません。またFIFAワールドカップとは比べ物にならないほど規模も小さい大会です。
しかし試合の規模や内容以上に、CONIFAが存在することに大きな意味を感じる開催でした。
国内外でのサッカー観戦が趣味なので、今度の大会もロンドンで観戦する予定です。現地の様子を、また記事にしたいと思います。
<取材・文・撮影/的場雄一郎>