「20代は混迷の時期だった」ハリウッド大物プロデューサーを直撃
ワーナーから起業へ。すべての物事はタイミング
――ワーナー・ブラザース社にいらしたころも数多くのメガヒット作を手掛けられています。その後、自社を創業されたわけですが、ワーナーを出てご自分の会社を作る決断を後押ししたものは?
ボナヴェンチュラ:まず、当時のワーナーの上司とソリが合わなくて、早く辞めたくてしょうがなかったんだ(笑)。彼は、僕が素晴らしいと確信していた映画企画を片っ端から却下した。
それで、この人とはやっていけない。自分とは作りたいものの方向性が全く違うと感じた。すべての物事はタイミングだ。今しかない、このタイミングだと思ったときに、会社を立ち上げた。
『ハリー・ポッター』とか『マトリックス』『トレーニング デイ』など、ワーナーで作った自分の誇れる映画もたくさんある。けれど、ここから先は自分のやりたいようにやりたいと思った。
観客にとってチャレンジとなる映画を作りたい
――プロデューサーとしての指針、ポリシーを教えてください。
ボナヴェンチュラ:自分が何かしらでも貢献できない作品には関わらない。『トランスフォーマー』シリーズもそうだけれど、みんながやっているような映画は作らない。誰もやっていないような映画を作る。
あとは観客を楽しませたいというのと同時に、観客を試したいという部分もある。観客を考えさせる、観客にとってチャレンジとなるタイプの映画を作りたいと思っている。
――最後にひと言お願いします。
ボナヴェンチュラ:読者の多くは20代とのことだけれど、その時期は自分探し、進むべき道、社会における地位、位置を一番考えて悩む時期だ。
『バンブルビー』では、バンブルビーとチャーリーの関係を通して、そうしたテーマを追求していきたいと思った。みんなにも観て考えてもらえたらと思う。
<取材・文・撮影/望月ふみ>