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「実はムダだらけの営業」を変えるため、僕が20歳で起業した理由

ビジネス

スタート時はトラブル続き「若造」と呼ばれた

――実際、ビジネスを始めてみていかがでしたか?

満田:カクトクの事業は別府にて2015年に学生チームでスタートしました。テストサイトを立ち上げたとき、問い合わせを多くいただいたのに、本リリースが半年遅れて営業チャンスを逃したり、トラブル続きでしたよ。

 社会人経験がないメンバーで進めるのは本当に大変でした。営業先では、「君みたいな若造が営業について理解しているのか?」と言われたこともありましたし。事業が始まっても、なかなか成果がでず、途中で大きく方向転換をしたんです。

――どんなふうに方向転換したんですか?

満田:事業開始当は報酬が歩合制で、副業として気軽に始められる案件が多かったのですが、成果報酬だとなかなか商材が売れず成果が出にくかった。そこで、固定報酬メインに変えたんです。これが効果テキメンでした。固定報酬が一種の踏み絵になって、みな責任感をもって商材を売ってきてくれるようになったんです。

 副業より、フリーランスのほうが成果が出ることもわかりました。この事業のキモは「本気度」を高めることだったんです。この変更を起点に複数案件を同時にこなし稼いでいる人がたくさん生まれました。今では案件も登録者も順調に増え、やっと事業が大きくなり始める兆しを感じられるようになりました。2016年には東京に拠点も移しています。

東京は情報が多すぎるから行きたくなかった

カクトク

起業したいというと変わり者と思われることもある

――地方でのジレンマの話をされていましたが、もっと早く東京に来たかったという気持ちは?

満田:それはないですね。東京は僕にとって情報が多すぎます。東京にいたら今の事業を思いつかなかったかも知れないし、信じて頑張り続けられなかっただろうなって思います。今は東京をメインの拠点に移しましたが、社内で僕だけが最後まで移転には消極的でした。

――それでも東京に来たのはなぜでしょう?

満田:採用強化のためです。事業を立ち上げる人材を探すのは、人も情報も多い東京の方がやはり有利です。上京半年後に偶然行ったハロウィンパーティで出会ったのが今の我が社CTO(仙石祐)。出会いにも恵まれました。事業が大きくなれば、カスタマーセンターなど一部機能を創業した別府に移したいなという気持ちもあります。

――満田さんの世代には、就活並に「起業」が身近なのですか?

満田:うーん、まだまだ東京だけだと思いますよ。地方にもチャレンジ精神がある人はたくさんいますが、大手企業への就職を目指すのが王道。起業したいというと変わり者と思われることもあると感じます。でも、きっとこれから変わって行くんでしょうね。

――起業して良かったことは?

満田:単純に毎日楽しいです。創業当初と比べ、仕事漬けの時間は減りましたが、事業が最優先なのは変わりません。特に嬉しかったのは、社内外で賛否両論ありつつも、自分を信じて固定報酬化に踏み切ったことで、事業が一気に成長したこと。自信にもなりました。特に贅沢をしたいとも思わない。これからも事業の成長を目指していきます。

<取材・文/井澤梓>

金融機関、人材系ベンチャーを経てライターに。ビジネス系インタビューから体当たり体験レポートまで多様なジャンルで執筆中。株式会社カタル代表

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