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「趣味は?」の質問に答えられない人へ。すぐできる趣味の見つけ方

コラム

好きなものをどんどん広げていくこと

料理

ダースレイダー:でも、好きじゃないもの……例えば、料理が好きじゃないのにやってみてもしょうがないよね。自分が好きなものをどんどん広げていくことが大事。じゃあどこにそんな出合いがあるのかって言うと、これにはポイントがあって、僕の中では「人に誘われたものには絶対1回は行く」っていうルールがあるんですよ。

 それがたとえ、普段の自分の選択肢には入ってないものでも。例えば、僕は競艇とかはやらないんですけど、もし競艇行こうよって言われたら1回は行くんです。体験してみる。

 結果、自分がどういう気持ちになるかで2回目行くかどうか、スタートするかしないか決める。なんだそれって思うものでも、なんとなく嫌だなって思うものでも、誘われたら1回は必ず行くっていうルールを自分の中では決めてる。これは結構いいかなって思ってます。

周りからのパスの中に、意外な出会いがある

ダースレイダー:僕、落語は聞かなかったんですけど、知り合いがテープを持ってきて、面白いから聞いてみなよって言われて聞いてみたら本当に面白かったし。自分の引き出しの中にあるものが全てではないってことは、間違いないんで。

 周りの人からポンと投げられるパスの中に、出会いのきっかけがあることが多いと思いますから、なるべくパスを投げてもらえる状況にいるってことが、趣味を見つけられる方法かなと思いますね。

 変わった友人とかがいればラクなんですけどね。いきなり美術展とか、写真展に連れて行かれるとかね。写真なんかiPhoneで撮ればいいじゃんって思ってても「有名なマグナム・フォトの写真展があるよ」とか言われたら、自分はそれが何か知らなくても行ってみたら何かわかるかもしれないし。

「好きな物がない」もある種のスタイル

ダースレイダー:そういった1回目のきっかけを作ってくれる知り合いをなるべくたくさんつくっておけば、どっかに自分の好きなものがあるだろうし、もし100人から勧められてその中に好きな物がないってなっても、ある種それはそれでひとつのスタイルな気がするので。

 そしたら「趣味は何?」って聞かれたときに、

「今のところ友人100人から100種類のものを進められたけど、何ひとつ今のところハマってませんので、101個目を探したいと思います」

 って答えでもいいと思う。ただ家で座ってるだけじゃ何も始まらないと思うので、結局は人間関係かなと思います。

<構成/サジェリコフ 撮影/山口康仁>

1977年パリで⽣まれ、幼少期をロンドンで過ごす。東京⼤学に⼊学するも、ラップ活動に傾倒し中退。2010年6⽉に脳梗塞で倒れ合併症で左⽬を失明するも、現在は司会や執筆と様々な活動を続けている。

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