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キャリアアップに成功する人の特徴2つ。トレーニングすれば身に着くもの

学び

2:初見の事象に対応できる行動習慣を持っているか

 2つ目に大切なことは初見の事象に対処できる行動習慣が身についているということです。

「やったことのないことはできない」という考え方がキャリアの選択肢を狭めてしまうことは言うまでもありません。「今まで営業をやってきたので、営業の仕事がしたいです」という発想は自分のできることの中のみで考えてしまっている証拠です(もっともその仕事を深めたいという動機があればこの限りではありません)。

 もちろん、40代以上の方であれば経験を生かせる領域で活躍することが望ましいかもしれませんが、新しい仕事に挑戦できる若いうちは、できるだけ自分の仕事の幅を広げるために、今までに挑戦したことない仕事に挑戦することが望ましいといえます。

 この際に問われるのが“初見力”なのです。まったくやったことのない仕事に直面した時に、その仕事が完遂できるまでの段取りを立てて、粛々と実行できるか、これが非常に重要です。この初見力が強い人は、どんな仕事に出合っても臆することなく挑戦できます。これが、キャリアアップを実現できるかどうかに大きくかかわってきます。

 ここまで説明してきたようにキャリアを切り開くには、論理的に考えて自らの価値を発揮する力と、初見の事象にも臆することなく進んでいける初見力の2つが必要です。これらをもって仕事に臨めば、自然と周囲に評価され、あなたの仕事の幅はおのずと大きく広がっていくことでしょう。

日常的にトレーニングするためのステップ3つ

丹羽大規

丹羽大規

 最後に論理的思考と初見事象に対処するための行動習慣を身に着けるためのトレーニング方法を紹介します。

●トレーニングの目的:情報の収集力・整理力・表現力を養う
●トレーニング概要:身近な言葉やテレビで見た内容、本を要約・整理して、相手に伝えるトレーニングです。

ステップ①:情報を収集する
 情報の質は問いません。テレビや新聞、WEBニュースだけでなく、YouTubeなどのメディアで見聞きしたものでも構いません。

ステップ②:情報を整理する
 次に調べ上げた情報を整理していきます。できるだけ情報は構造的に整理することが望ましいのですが、難しければ似た言葉を頭の中でグルーピングしていくと良いでしょう。

ステップ③:情報を誰かに伝えてみる
 整理した情報をもとに、身近な誰かに伝えてみましょう。伝える相手によっては簡単な言葉を使ったり、話し方を変えてみたりと、相手に合わせた話し方ができるかどうかが問われてきます。

「②情報を整理する」のステップで、きれいに情報が整理されて入れば、伝えることも容易になりますし、仮に時間がないときでも要点を絞って話すことできるはずです。このステップでつまずいたときは1つ前のステップを疑ってみましょう。

 わざわざ時間をとってトレーニングするのが大変だと感じる方は、普段見た映画や本について、相手にわかりやすく説明する訓練をするだけでもOKです。内容を的確に伝えるだけでなく、自分なりの意見を整理して伝えられると良いトレーニングになります。

<TEXT/丹羽大規>

業家/声楽家(テノール)歌う実業家。株式会社Luceキャリアデザイン事業部ディレクター。東京藝術大学声楽科テノール専攻卒業。一橋大学経営学修士コース(MBA)修了。2015年ベルテクス・パートナーズへコンサルタントとして参画。2018年より現職。声楽を川上洋司氏に師事。神奈川県出身。大学在学中より「音楽家が食べていける社会づくり」に関心を持ち、MBAとコンサルティング事業にて研鑽をつみ、キャリア支援サービス「ストリーデ」を開始

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