慶應卒男性がパワハラでうつ病、無職に…社会復帰できた理由は?
そして夢にまで見た漫画編集者に
企画部に移動し、約1年勤務した島村さん。そしてついに、引きこもり時代に夢見た漫画編集者としてのキャリアを掴みます。
「とあるアニメの企画で知り合った人が、フリーの漫画編集者を紹介してくれたんです。日頃からやりたいことを口に出していたのが良かったんですね。その編集の人から、とある編集プロダクションを紹介してもらいました。その会社は、通常ならば経験者のみの採用しかしていなかったのですが、お願いしたら特別に採用してくれることになったんです」
編集プロダクションは薄給で激務だという話もよく聞きますが、島村さんが入った会社は給料もそこそこ良く、労働時間も他の会社に比べ格段に短いそう。「ホワイト企業で、好きなこともできて、本当にラッキーです」と彼は話します。
「一度、レールを外れた僕ですが、あの時に漫画を読んでいて本当に良かったです。やはり一番大切なことは自分から動くことだと思います。経理部なのに企画を出すのも、実は勇気がいる行動でした。でもやって本当に良かった。後は、『今できることをする』。いきなり目標に近づくんじゃなくて、できることから始めたのが今に繋がったのかなと感じています」
島村さんが陥ってしまった状況と似たような境遇の人もたくさんいると思います。ですが、自分にとって絶望的だと思う状況からでも、やり直しはきくということを教えられたような気がしました。
<取材・文/八潮ゆうき>