慶應卒男性がパワハラでうつ病、無職に…社会復帰できた理由は?
運悪くブラック企業に入社し、過酷な労働環境に身を置くビジネスパーソンもいます。そこから抜け出せても心身を食い潰され、社会人としてのキャリアを棒に振ってしまうケースがあるとか。
一度、レールから外れてしまうと、戻ってくるのが困難だというのが現実のようです。
今回、話を聞いた島村敦さん(30歳・仮名)は、慶應大学を卒業後、とある会計事務所で上司からいびられ、退職後1年間精神科に通院し、無職だった時期があったそう。
現在、島村さんは漫画編集者としてキャリアを築いていますが、一体、どのようにして社会復帰を果たしたのか。「とにかく自分から動くことが大切」と言う彼に詳しく話を聞きました。
「お前、記憶障害なのか?」
大学卒業後、24歳で会計事務所に入社した島村さん。当初は漠然と「税理士になりたい」と思っていたそうです。
「会計事務所に入ってもすぐに税理士になれるわけではないので、始めはアシスタント事務として勤務していました。でも、そこの上司から毎日のように罵詈雑言を浴びせられて。特に傷ついたのは『お前、記憶障害だろ!』という言葉でした」
確かに入社したばかりの頃だと覚えることも多く、昨日言われたことを失念してしまうこともあるでしょう。それを「記憶障害」と言われてしまうのは……ですが、島村さんは、嫌がらせに近いものもあったと話します。
「一度も教えてもらっていないことを上司に聞いても、そう言われてましたね。毎日のようにそんな言葉を浴びせられていくうちにどんどん疲弊していきました。次第に会社に行く気力がなくなり、結果、半年でギブアップしてしまいました」
精神科に通い、1年間ニートに
会計事務所を退職し、疲弊しきった島村さんは、精神科に通うことになってしまいます。
「退職したばかりの頃は、すぐに転職しなきゃと思っていました。空白期間が長いと就職に不利になると思いましたし。でも、前職で負った精神的ダメージが予想以上に大きかったみたいで。
周りから『せっかくいい大学出たのに』と陰口叩かれてるんじゃないかとか、疑心暗鬼になったりして、当時はネガティブループでした。そこから徐々に動悸がしたり、体調もものスゴく悪くなって病院に行きました。すぐに働ける状況ではありませんでしたね」
精神科に行った島村さんには、うつ病とパニック障害の診断が出されました。