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女子減点がバレた順天堂大医学部、その変な面接を受けた女子が明かす

コラム

順天堂はなぜ面接を重視してきたのか?

 同要項には、面接などを重視する理由として「本学入学者における退学や留年する学生が非常に少なく、そして高い国家試験合格率が維持されている現状からも証明されます」とある。

 実際、順天堂は国公私立医大80校中、過去10年間、20年間ともに、医師国家試験平均合格率は第2位と、素晴らしい実績を「維持」している。私が受験した時は、面接の待合室にわざわざ毎年の国家試験合格率が掲示されており、「我々は面接を厳しく行ってきたからこそ、この合格率を維持できている」といわんばかりの雰囲気だった。

 しかしながら、このように面接を重視するのは、「面接点が悪かったというのを隠れ蓑にして、多浪・再受験生を減点している」と、もっぱらの噂だった。一度社会人経験がある私も、塾の先生から「順天堂は、再受験生はほぼ取らない。ましてや女性となるともっと可能性は低いから、受験料が無駄になるから出願しないで良い」と言われた。

 また、これは推測だが、この大学は一年次に寮に入ることが必須なので、そこでの協調性や、男女の人数配分なども影響しているのかもしれない。

医学部再受験の私に向けられた厳しい質問

面接イメージ

 実際に私が受けた面接についてだが、一言で言えば「圧迫面接、一歩手前」。一般現役生の友人は、圧迫はなく穏やかだったと言っているから、私の性別や経歴はきっと影響しているのだろう。

 何を圧迫とするかは人それぞれだが、面接というのは、学生が普段通りの自分を出せるようにするのが、お互いにとって理想型であろう。しかし私の場合、まず先生方が5人ほどずらりと並び、右端の先生を中心に、矢継ぎ早に質問が飛んできた。

 たとえば私が「研究がやりたい」と言うと、「気になる最近の研究を3つ挙げよ」と言われ(3つもあげるなんて医学生でも難しいと思うが)、立て続けに「仕事で身についたことで、医師になる上で役立つことを3つ」という風に、“3つ攻撃”が続出。

 こちらが何を言っても、「でも」と言いがかりをつけられる面接だった。親に家中ひっくり返して探してもらい持参した通知簿や、大学側に重視すると言われ、綺麗にファイリングしていた賞状や検定試験結果については、何ひとつ触れてくれない。終始、感じていたのは「女性で、20代後半で、なぜ今さら医者になるのか」という空気だった。

「結婚は? 出産は?」と、なんの遠慮もなく、ずかずかと聞かれた。塾の先生の言う通り、私のようなものは歓迎されてないのだと、がっくり肩を落として帰ったことは忘れられない。私はこの面接の結果、一般入学試験形式では不合格だった。

別の面接がうまくいった「効果てきめんな一言」

 その後、私はセンター一般独自併用入学試験という別の形式の面接も受けたのだが、この時の面接は一転して和やかだった。これにはひとつ秘訣があった。それは冒頭「一般の方の面接で詰められたんです~」と、冗談ぽく甘えてみたから。

 そうすると、場の緊張が解け、「それはかわいそうだったね」と、こちらの話をきちんと聞き出してくれた。そして無事に正規合格。

 1回目の面接が厳しい雰囲気になったのは、私の性別や経歴に対する順天堂の方針だけではなく、私の「コミュ力不足」が生んだ結果かもしれない。このように「甘える」というコミュ力のおかげで、最終的には合格できたと思っている。

 特に順天堂は、圧迫にも動じず、逆に「面接官さん、そんなにカリカリしないで」と甘えられるくらいのメンタルの人が好きな傾向がある。

 それでも一人でも多くの女子受験生が、ありのまま生き生きと面接で語り、それが正当に評価されることを願っている。

<TEXT/深海アオミ>

現役女子医学生・ライター。文系学部卒。マスコミ勤務後、医学部医学科に入学。勉強の傍ら、医学ネタからエンタメ評論まで、幅広く執筆中。音楽・ドラマ・お笑いが日々の癒し。医療で身体を、エンタメで心を癒すお手伝いがしたい。アイコンは「めでぃにゃん」ブログ「文系からの社会人からの再受験女子医学生の日記」、Twitterは@pompomponky

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