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女子減点がバレた順天堂大医学部、その変な面接を受けた女子が明かす

コラム

 2018年に世間を騒がせた医学部の入試不正問題。東京医科大学を皮切りに順天堂大学、神戸大学、日本大学など9大学で、女性の受験生や多浪生が、不利になる得点操作が行われていたことが発覚した。

図書館で勉強する 女子大生

※画像はイメージです(以下同じ)

 一連の不正に対し、現役の女性医大生はどう感じているのか。一般企業勤務を経て、現在は関東のある医学部に通う現役女子医大生に受験経験や、後輩の女子受験生へのメッセージをもらった。

 彼女は話題になった順天堂大学も受験している。「日本一面接を重視する」というその内情はどのようなものだったのか?(以下、本人寄稿)

「日本一面接を重視する」と評判だった順天堂

「コミュ力低いから受かったわ(笑)」

 知り合いの女子医学生が苦笑しながら言った。順天堂大学から医学部追加合格の電話がかかってきたのだという。補償は受験料6万円の返済のみ。その子に聞けば、同級生数人にも電話があったという。

 順天堂大学は12月10日に行われた会見で、女子受験生差別の理由について「女子のコミュニケーション能力が高い」ため、面接で不利になる男子の点数を補正したと説明している。心理学の論文を根拠にしているが、他大学とは一風変わったストレートな言い訳に、驚いた人もいるのではないだろうか。

 私の経験上、順天堂ほど面接が好きな大学はないといっても過言ではない。2019年度の「順天堂大学医学部 学生募集要項」には、「学力を重要視することは勿論ですが、面接試験、小論文、小中高に至る評価表等を重視し、受験生の感性や医師となるべき人物・識見・教養などを見極めております」と、面接重視がはっきりと書かれている。

 ここまで明言する大学はめったにない。面接重視というだけあって、私が経験した面接も実に個性的だった。

トロフィーを持って順天堂大の面接に臨め

順天堂大学

順天堂大学医学部附属練馬病院 photo by Waka77

 面接には、小中高の通知簿、賞状、免許、資格、英検・漢検・TOEICなどの外部検定試験、柔道・茶道などの段位等証明書まで「あれば全部もってこい」と言われた。本当だ。先に引用した学生募集要項にも、

「二次面接試験の受験生に対して、願書に書かれた文化的、創作的、独創的あるいはボランティア活動、各種資格、評価、クラブ活動など、これまでの特徴的な活動を行ったことを証明する資料等を持参するように要請します」(2019年度「順天堂大学医学部 学生募集要項」より)

 とある。ただ勉強だけできる学生はいらないというのだ。

 そのため、面接当日は大きな手提げをもった学生が、待合室にずらりと並んでいた。

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