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エンジニア必見!目的別に見る副業の選び方と成功の秘訣

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エンジニア必見!目的別に見る副業の選び方と成功の秘訣

副業は収入を増やすだけでなく、新たなスキルの習得や視野を広げるためにも有益です。しかし、目的に応じた適切な副業を選ばなければ、逆に本業に悪影響を及ぼしかねません。本記事では、エンジニアを経てPMOになった筆者が、エンジニアが失敗せずに副業を成功させるための選択肢とヒントを目的別に詳しく紹介します。(以下、甲州潤さんの寄稿)

目的に合った副業を選ぶことが成功の秘訣

現在エンジニアとして働く方の中には、副業を考えている方も多いのではないでしょうか? 私はエンジニアを経てPMOになりましたが、これまで、副業で活躍して効率良く収入を増やしたり、さらにキャリアアップしたりするエンジニアや、逆に副業によって本業がおろそかになるなど失敗してしまうエンジニアもたくさん見てきました。

その中で、「副業で成功する人」には共通の特徴があると感じています。それは、「目的に合った副業を選択している」ことです。

エンジニアが副業をする目的は、主に以下の3つのパターンがあると個人的には考えています。

・すぐに収入を増やしたい
・即金性はなくても長期的に収入を増やしたい
・お金ではない価値を得たい、視野を広げたい

個人差はありますが、エンジニアの平均年収は他の職業と比べると高めといわれます。そのため、ただ「収入を増やす」だけでなく、「将来を見据えて新たな収入の柱を作る」、「経験値や知識を深める」といった目的を持って副業を始めるのがエンジニアとしての最適解ではないかと思います。

そこで今回は、「エンジニアの特性を活かしてできる副業」を目的別に紹介したいと思います。

その1:「すぐに収入を増やしたい人」向けの副業

取り急ぎ月5万円程度の収入を得たいなら、今自分ができること、得意なことで講師になる、外部委託で仕事を受けるといった方法が、事前準備も不要で最も手っ取り早いでしょう。

最近は、クラウドソーシングサイトや個人が自分のスキルを売買できるスキルマーケットサイトもたくさん登場していますので、技術さえあれば比較的すぐに副業を始められます。具体的には下記のような副業が挙げられます。

講師業

例)パソコン教室、シニアのスマホ教室、電子機器の初期設定サポート、WordPressの使い方講座、スマホアプリを使ったお手軽デザイン講座、子ども向けプログラミング教室、ロボット体験教室、IT系専門学校など

ポイント:即金性がある反面、あまり高い収入は期待できない現実も。一方で、講師業を極めることで、将来的に起業したり、オンラインサロンを立ち上げたりといった展開も望めます。

アウトソーシング業

例)Google Apps Scriptスクリプト開発、プログラミング、アプリ開発、Webサイトリニューアル、業務処理の自動化、企業のIT顧問、IT系Web記事執筆など

ポイント:講師業のように人前で話すことが苦手な人は、在宅ワークが主となるアウトソーシングの副業を選ぶのも一案。ただしリアルのやり取りが少ない反面、メールやチャット(ときに電話)などによる円滑なコミュニケーションは必須となります。単価は業務内容によりますが、最近は中小企業からの依頼も増えています。

その2:「即金性はなくても長期的に収入を増やしたい人」向けの副業

起業やSNS運営は、安定した収入を得るまでには時間や労力がかかり、新たな知識のインプットなども必要です。しかし、エンジニアの特性を活かしながら、長い目で見て本業の収入に上乗せできる資産を副業で築きたいのであれば、検討する価値はあります。

起業

例)ITサービスやアプリ開発、ITコンサルタント、セミナー講師、システムエンジニアなど

ポイント:フリーランス(個人事業主)として起業する、法人を立ち上げるといった選択肢がありますが、本業のスキマ時間を活用する副業であれば前者が現実的です。雇われるより収入は高いケースが多いですが、起業資金や業務に関する知識習得などが必要となります。事業が軌道に乗れば、本業からのキャリアチェンジを見込めるかもしれません。

SNSやブログの運用

例)YouTube、Instagram、TikTok、X、note、アフィリエイトなど

ポイント:例えば、エンジニアの知識や技術を伝えるYouTubeチャンネルやブログを開設し、再生回数や閲覧数で収益を得る。専門知識を習得できる有料ブログや商材を作成、販売する。IT系ブログにアフィリエイトリンクを設置するなど、さまざまな方法があります。

昨今は、YouTuberの収益減少が注目されていますが、そもそも収益化までの道のりが長いこと、社会情勢、流行などから突然収益が減ってしまうなど不安定な一面があることは、心に留め置いておきましょう。

その3:「お金ではない価値を得たい、視野を広げたい人」向けの副業

必ずしも収入を得たいわけではなく、自分のキャリアアップ、社会貢献、健康、ビジネスや世の中に対する知見をより深めるといった目的で副業したい場合、エンジニアのスキルに限らずさまざまな仕事を経験してみるのもひとつです。

蓄積された経験や形成した人脈は、すぐには役立たないかもしれませんが、将来の仕事やこれからの人生で役立つ可能性は十分にあります。

アルバイト

例)デリバリーサービス、カフェ、ファミレス、ファストフード、運送業、引越し、警備員、ポスティング、商品陳列、イベントスタッフなど

ポイント:最近は「週○回」だけでなく、「今日空いた時間に働く」といったスポットワークも浸透してきています。エンジニアには機会の少ない接客スキルを身に付けたい、日頃の運動不足解消のために自転車でデリバリーしたいなど、さらに具体化した目的に応じて職種を選ぶとよいでしょう。

ボランティア活動

例)まちづくり・まちおこし、環境保全、災害救助支援、文化活動支援、スポーツ支援、動物愛護、子どもの学習支援、国際協力・交流、プロボノ活動など

ポイント:ボランティアも幅広い分野の活動があるので、知見がグンと広がります。また普段は接点がない人と出会うきっかけになることもあり、新たな考え方や視野に触れたり、自分自身を客観的に見つめたりするよい機会になることもあります。

まとめ:本業でできないことは副業でもうまくいかない 

今回は、エンジニアができる副業についてお話してきました。「目的に合わせた副業の選択」を行うほか、もうひとつ注意したいのが、「本業でうまくできていない業務を、副業ならできるかも」という発想です。私の経験上、本業でうまくできないことは、副業であってもうまくいきません。むしろ、失敗してしまう可能性が高くなります。それでは本末転倒となってしまうでしょう。

今の自分の能力を分析し、本業で不足を感じる部分は本業でしっかり磨く。そのうえで、新たなチャレンジを副業でする。これも副業成功の鍵といえそうです。ぜひ参考にしてみてください。

株式会社office Root(オフィスルート)代表取締役社長
国立高専卒業後、ソフトウェア開発企業でSEとして一連の開発業務を経験し、フリーランスに転身。国内大手SI企業の大規模プロジェクトに多数参画し、優秀な人材がいても開発が失敗することに疑問を抱く。PMOとして活動すると多数プロジェクトを成功へ導き、企業との協業も増加。2020年に法人化し企業課題と向き合う日々。
【著書】〈DX時代の最強PMOになる方法〉(‎ビジネス教育出版社)
URL: https://www.office-root.com/become-excellent-pmo/

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