23歳学生作家、虫をこよなく愛する彼女が“好き”を仕事にできた理由
虫好きが高じて、数々の書籍を出版されている学生作家の篠原かをりさん。
前回は彼女なりの「虫との上手な付き合い方」について聞きました。今回は、虫だけでなく、クイズマニアでもあり、最近では金魚すくいにもハマっているという彼女の謎のベールに包まれた生活に迫りました。
昆虫採集、金魚すくい、クイズにハマって大学を留年
――篠原さんは大学を留年しているそうですが、やはり虫にハマりすぎたせいですか?
篠原かをり(以下、篠原):虫だけじゃなくて、クイズと金魚すくい、あとソリティアにハマって無限に時間を溶かしていましたね、キラキラした大学生活は知らないです(苦笑)。
――いわゆるリア充にはほど遠いと(笑)。金魚すくいは夏祭りの時期だけじゃないんですか?
篠原:もちろん夏がメインではあるんですけど、一年中金魚すくいができるお店が浅草にあるんです。金魚ってやっぱり生き物なのでゲームとは違い、“攻略法”が存在しないんです。
対生物だから、個体差による違いがあります。そのうえ、金魚をすくう“ポイ”も、1枚、1枚厚さや固さなどが微妙に異なるんです。
全国大会で優勝圏内の人は自宅に金魚すくいセットを組んでるんですが、私はそこまで用意ができていません。
――一方で、篠原さんといえば、「高校生クイズ選手権」や「地下クイズ王決定戦」などクイズの女王というイメージですが、クイズを本格的に始めたのはいつですか?
篠原:中学3年生のときに「高校生クイズ」を見ていて、これなら私もイケる! と、漠然と思ったのがきっかけです。そのとき、番組にイケメンの高校生が出ていて、私の友達が「あのイケメンに絶対会いたい!」と言い、一緒にクイズ研究会を作りました。
結局、彼女はクイズ研究会をすぐ辞めてしまいましたが(笑)。私は高校でも続けて、2、3年生と連続で全国大会にも出ました。
――虫に詳しくて、出版甲子園でグランプリ。そのうえクイズも得意ってすごいエリートですよね。
篠原:そんなこともないです。クイズのトレーニングって頻出問題、いわゆる“ベタモン”を覚えるところから始めるのですが、これではほとんど差はつきません。
結局、クイズの勝敗を決めるのは、クイズのトレーニング以外の生活や人生で得た知識なんです。私がクイズ大会で初めて答えたのも「人間でいうと腎臓の役割を果たす昆虫の器官はなんでしょうか?」という問題でした。
それは、私がたまたま虫好きで、正解の「マルピーギ管」を知っていたから答えられたんです。クイズのための特訓だけではなく、自分の興味関心や人生で獲得した知識という両輪があって、初めて勝てるんです。