職場での派手な髪色はマナー違反?実際に染めている人に話を聞いてみた
大学生の頃は髪を染めていたものの、就活に向けて黒髪に戻し、社会人になってからは節度のある明るさに染める。そんな経験をした人も多いのではないだろうか。筆者自身も、大学時代は金髪や青髪、インナーカラーなどありとあらゆる髪色にした経験がある。しかしその行為は社会人としてマナー違反なのか。
2019年10月には、就職活動時は、黒染めをしてスーツを着て行うのが一般的という概念を変えようと、「#令和の就活ヘアをもっと自由に」プロジェクトがヘアケアブランド「パンテーン」主催で展開された実例もある。
NPO法人日本ヘアカラー協会が2004年、髪色の明るさの基準となる「JHCAレベルスケール」(3~15レベル)と呼ばれるものを開発した。現在、多くの企業でこのレベルスケールが採用されている。日本人の一般的な黒髪は5レベルとされており、一般的な職場で推奨されている髪色のトーンは7レベル(5よりやや明るい)までとされている。では、それよりも派手に染めている人はいったいどのような思いで染めているのか。
染めるのは自分を奮い立たせるため
世間一般的に見ると、髪色が派手な人は、チャラそう、仕事が出来なさそう、というレッテルを貼られることが多い。しかし、都内の出版社に勤務する40代の伊高さん(男性・仮名)は、茶色と黒色が混じった短髪を10年以上続けているが、その評価を逆手に取り、自らを律しているという。
「かっこいいからというのが前提としてありますが、僕の中ではそれに加えて、やる気を出したり、テンションを上げたりなど、自分自身を奮い立たせる理由もあります。あと、髪の毛を染めていたら、仕事の言い訳が効かなくなると個人的には感じています。第一印象で『こいつ派手だな』とは思われると思うので、その評価が覆るぐらい、ちゃんと仕事をしよう、変なことをするのはやめよう、と」
ビジネスマンが髪の毛を染めるのは珍しいが、伊高さんにとって髪の毛を染める行為は「自分を奮い立たせるため」だそうだ。他の取材者はファッション感覚、または自分の好きな髪色にしたいと答えている中、興味深い回答であった。
髪色で判断されないようにしている
また昨年に都内の企業に入社したばかりの角多さん(20代・女性・仮名)は、髪色が派手なことで評判が下がらないよう、常に気を使っているそうだ。
「私の所属する部署の人たちは、私の髪色なんて気にしていないと思うので、職場で気にしていることは特にありません。ですが、評判が下がるような行動には気を付けています。時間を守る、挨拶をする、などの基本的なことにも気を抜かずにいます。やっぱり、『髪色も派手だし、挨拶もしない』と思われたら嫌なので」
髪色を派手にしたのは、4月の人事異動がきっかけだと語っていた。今までは営業をしており、その時は染めていなかったが、4月からはPR担当に異動し、メールでのやり取りが主で、仕事をする相手も自由な格好の人が多かったので染めたそうだ。上司からも、「なんでもやっていい」と容認されている。