病に倒れた“創作カレー”のパイオニアが語る「コロナの時期にできること」
自由な発想で作るスパイスカレーが盛り上がっているなか、90年代から梅干しやゴマなどを使う「和素材×インド料理」という“新印度料理”に挑み続けている「初台スパイス食堂 和魂印才たんどーる(@Mr_tandoor)」店主の塚本善重さん。
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初台にお店を移して5周年を迎えるタイミングで初のレシピ本も発売になり、シーンのパイオニアである塚本さんの動向に改めて注目が集まっているんですよね! 今回はカレー研究家の私、スパイシー丸山が“新印度料理”の誕生秘話などを聞いてみました。
やっと時代が追いついてきた
――最近、いろいろな食材を取り入れる自由なカレーが増えてきました。新印度料理のオリジネーターとして今の状況をどう感じているのでしょうか。
塚本善重(以下、塚本):カッコよく言えば、やっと時代が追いついてきたかな(笑)。やるにはちょっと早すぎかなっていう気持ちは昔からありましたから。
――「インド料理はいずれ日本人寄りに進化していくだろう」という確信のようなものがあったんですか。
塚本:なったらいいなと思ってましたが、なかなか難しかったですね。ここ数年でガラリと変わりましたが、ここまで自由になるとは思いませんでした。
和素材なら面白いものが作れるかも
――新たな可能性を探求し続けてきた塚本さんですが、今につながる“新印度料理”へのチャレンジはいつ頃からされていたんでしょうか。
塚本:インド人と一緒に仕事をしている時に、スパイスの感覚っていうものでは、インド人シェフには敵わないなと思って。で、インド人シェフになくて、ボクにあるものは何だろうかな?と考えたときに、和素材だったら対等まではいかなくても、面白いものが作れるのではないかって思ったのが始まりですね。
インド人と一緒に仕事をしているころだから30年以上前で、形にできたのはもっと後。どう組み合わせれば良いものができるのかは、当時は全然わからなかったんで。どういう下処理をすればいいのか、どういうふうに作ったらいいのか、まずは独学で勉強したりしてました。