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対面のボードゲームがブーム再燃。婚活や研修に、対戦カフェもある“アナログの魅力”

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 近年日本でもファンが増えているボードゲーム。ハマっていることを公言する芸能人や、気軽に楽しめるボードゲームカフェも珍しくなくなった。

岩田慎太郎氏

一般社団法人「ボードゲーム」会長の岩田慎太郎氏

 今回は“ボードゲームの伝道師”こと一般社団法人「ボードゲーム」会長の岩田慎太郎氏にコロナ禍の影響や、その魅力を語ってもらった。

イベント来場者は8年で10倍に

 ボードゲームカフェは東京に約120店舗、岩田氏が経営するボードゲームカフェ「one」のある池袋には5店舗が存在する。

「うちは時間制ではなく1プレイ単位で遊べるのが特徴です。今は時短営業で20時閉店ですが、仕事終わりに1人でも気軽に立ち寄って、1回だけ遊んで帰れる雀荘みたいなコンセプトになっています。『すごろくや』『リトルケイブ』『ディアシュピール』など、有名なボードゲームショップがある中央線沿いもボードゲームカフェは多いですね」

 岩田氏は大手食品メーカーの会社員だった2007年頃、25歳で土日の副業として異業種交流会を運営するようになり、1年後に独立。平日の空いた時間に雀荘でバイトを始め、そこで人気ボードゲーム「カタン」に出合い、本格的にハマったという。

「子供の頃は目に悪いからという理由で、親にファミコンを買ってもらえなかったんですが、代わりに買ってもらったのがボードゲームだったんですね。子供の頃から親しんでいたし、麻雀も大好きでしたね」

 年2回開催される“ボードゲーム界のコミケ”こと「ゲームマーケット」の来場者は、2011年春の第1回の約3000人から、コロナ前の2019年秋で約3万人と8年で10倍に。2019年4月にオープンした「one」の売り上げも右肩上がりだったが、経営状況はコロナ禍で大きく変化したという。

コロナ禍でイベントができない

岩田慎太郎氏

「最初の3か月は赤字でしたが、2019年7月からは損益分岐を超え、2020年3月の売り上げが一番良かったです。緊急事態宣言で約20万円まで売り上げが減り、今は良くても30万〜40万円くらい。協力金は出ていますが、毎月250人くらい集めていたイベントが開催できないのは痛いです

 イベントや店舗の運営にとっては逆風だが、ボードゲームの販売ではステイホームは追い風とも言える。基本的にはロングセラー商品が多いそうだが、その中でも最近、特に流行っているゲームを紹介してもらった。

「ボードゲームのアカデミー賞的な存在である『ドイツ年間ゲーム大賞』を獲ったゲームが日本に輸入されるという流れで、2019年と2020年の大賞になった『ジャストワン』と『ピクチャーズ』というゲームは人気です。日本人が製作したボードゲームが世界に羽ばたくことって珍しいんですが、2015年にノミネートされた『街コロ』も昨年12月にリニューアルされ、今もたくさんの人に遊ばれていますね。サイコロを振って、自分の街を発展させるシムシティ要素があるゲームです」

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