「嘘も方便」を英語4語で表現する。“Lie”にまつわる活用術
日本語の「嘘」には、意味の幅があるのではないでしょうか? 数十年前の流行語にですが「ウソー」と口にするときの「嘘」は「信じられない」「本当に?」といった程度の、軽い意味です。逆に、「嘘を重ねた粉飾決済」のような言えば、深刻な問題です。
【第97回】嘘(Lie/Liar)の活用術
さて、英語でLieやLiarと言ったらどうなるでしょうか? 英語のLieやLiarには、軽いイメージは全くありません。親しい友達同士で、いかにも冗談とわかる口調でYou lied!と言うことはありますが、あくまで冗談なのが明確な口調で言うのが前提です。
逆に、そのような口調でなくYou lied!と言ったら、相手に対して厳しい批判をしていることになります。
He lied.やShe lied.と誰かについて言ったら、それはその嘘によって傷つけられたとか、損害を被ったとか、もしくは人としての価値を疑うことになったというニュアンス。決して軽い気持ちで言えることではありません。
また、Lieというのは冗談ではなく、意図的に、欺く気持ちを持って口にするもの。ですから、「ウソー」という気持ちでThat must be a lie!とか、You’re lying!などと言ってしまっては、大きなミスコミュニケーションを引き起こします。
Tell a lieは不自然な響き?
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※イメージです(以下同じ)
「大きな嘘」はそのままA big lieと言えます。「嘘を並べた」のように、嘘をたくさんついた場合には、A pack of liesのようにも言います。スーパーで食料を買う時に、複数の果物や魚がまとまって「1パック」として売っているのと同じ、Packです。
また、学校ではTell a lieで「嘘をつく」というふうに習ったかもしれません。「彼は嘘をついた」ならHe told me a lie.ですし、「嘘をつかないでください」はDon’t tell me a lie.のように訳したのではないでしょうか?
決して文法的に間違ってはいませんが、自然な響きはありません。せっかくLieだけで動詞になるのですから、わざわざ3単語使って表現をする必要はありません。