カリスマ営業がやっている、1年の負債をチャラにする「ルーティーン」
2020年も残すところわずか。年初に立てた目標は達成できただろうか。しかし、このコロナ禍で、「充実したよい年だった」と素直に思える人は、なかなか少ないかもしれない。
外資系教育会社での営業時代に世界第2位の成績を収めたカリスマ営業であり、現在はビジネスコンサルタントの和田裕美さん。今年2020年の失敗を引きずることなく、来年大きく飛躍するために、今何をすべきかについて聞いた。
「108の煩悩消し」で心の大掃除
年末恒例行事のひとつといえば大掃除。和田さんは、部屋を掃除するだけでなく、心も大掃除してほしいと言い、「新鮮な気持ちになれる年始は、ネガティブな思考をポジティブに変える絶好の機会。そこで実践してほしいのが、『108の煩悩消し』です」と語る。
和田さんの提唱する「108の煩悩消し」とはこうだ。まず、今年の手帳の余ったフリースペースを開く。そこに、今年できなかったこと、失敗、後悔していることを108個、思い浮かんだ順に書き出していく。
「つまり、『失敗の棚卸し』ということです。今年の手帳を見返しながらやると、より作業がしやすいと思います。手帳を持っていないという人は、ノートに箇条書きにしてみてください」(和田さん、以下同)。しかし、108個も書き出すというのはなかなか大変な作業だ。
「『108も思い浮かばない!』と言われることが多いです。でも、1つの失敗を掘り下げ、派生した失敗も漏らさずに書き出すことで数がどんどん増えていきます。例えば、1個目に『早起きして英会話の勉強をしようと思ったのにできなかった』と書いてみたとします。2個目、3個目はそれを掘り下げてみるんです。すると、『ゲームで夜更かししてしまった』『気乗りしない飲み会を断れなかった』『ついダラダラとテレビを見てしまった』などの隠れていた理由がさらに浮かび上がってきます」
掘り下げる作業は31日午前中までに
この掘り下げる作業が一番大切だという和田さん。
「掘り下げることで、失敗の原因や解決の糸口が見えてきます。煩悩の数が増えていくにつれて必ず、『ネットサーフィンで夜更かししてしまった』『漫画を読んで夜更かししてしまった』などと、似たような内容が増えてくるんです。
その似たような内容というのが、自分のウィークポイント。どこにつまずきやすいのか傾向がつかめてきます。これは10個や20個程度書いたのでは、なかなか浮かび上がってきません。108個を書き出すからこそ気づきがあるんです」
和田さんいわく、「失敗の棚卸し」は、ゴミの山の中からダイヤモンドを見つける作業。時間はかかるが、ぜひ前向きに取り組んで欲しいと呼びかける。
「108個のピックアップは31日の午前中までに済ませて、夜に除夜の鐘を聞きつつ、108の失敗をペンで消していきます。これが『心の大掃除』になるんです。失敗、後悔をひとつずつ消していくことで、気持ちが落ち着き、すっきりと浄化され、すがすがしく新年を迎えることができるはずです」