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『半沢直樹』に学ぶ、巻き込み力。実生活でも使える2つのコツ

学び

 9月27日に最終回を迎え、令和最高となる平均世帯視聴率32.7%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)を記録したTBSドラマ『半沢直樹』は多くの世代で話題となりました。劇中では、主人公の半沢直樹(堺雅人)に対して、最初は否定的だった多くの人たちが、リスクを恐れず彼の支援者になっていきます。

半沢直樹

Paravi『半沢直樹』より

 人材育成・研修の株式会社リクルートマネジメントソリューションズのシニアコンサルタント・松木知徳が、他人を巻き込む力の重要性を解説します(以下、松木氏の寄稿)。

コロナ禍で重要性が高まる「巻き込み力」

『半沢直樹』はドラマなのでもちろん誇張もありますが、緊急事態に周りが協力せざるを得ない状況をつくるとともに、自身の利益ではなく、銀行員(バンカー)としての信念を貫く姿勢が、支援者を集め、多くの視聴者からの共感を得たのではないでしょうか。実は、これこそが人を巻き込む重要なポイントなのです。

 昨今のコロナ禍でテレワークが増え、ちょっとした質問や相談がしづらくなったという話をよく耳にします。今までオフィス内にいる先輩に声をかけていたことが、お互いにテレワークだと、メールやSNSで質問をしてから返信がくるまで時間がかり、相談しづらい雰囲気があるのです。

 相談できずに、自身で課題を抱え込んでいると、仕事の進捗スピードや品質にも影響を与えます。一方、この状況下でもうまく周囲とコミュニケーションをとり、協力を得ている人もいます。この違いはどこにあるのでしょうか。

人は頼まれることが嫌いではない

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※画像はイメージです(以下、同じ)

 そもそも、人は、必ずしも自分の利益のためだけに行動をしている訳ではなく、他者の存在がさまざまな形で自身のモチベーションに影響を及ぼすと言われています。自身で決意しながらも、人の願いや期待に応えることが自身の原動力になるのです

 読者のみなさんも自分ではなく、誰かのためだからこそ力を出せたという経験があるのではないでしょうか? 関係が薄い先輩や、役職が上の人には声をかけづらいと思う気持ちをおさえ、勇気をもって頼んでみると、意外に快く引き受けてもらえることもあります。

 ただし、何でもお願いすればよいというほど単純ではありません。「何のためにこの仕事を手伝う必要があるのか?」という理由がなければ、人はなかなか動いてはくれません。周囲の協力を得るのがうまい人は「危険の回避のための支援」「期待の実現のための支援」の2つの支援について依頼方法を使い分け、相手のモチベーションを高めながら協力者を増やしていくのです。

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