「お前ら使えねえな」体育会系企業のマナー研修で衝撃の一言
新人研修では必須科目となっているビジネスマナー。2020年は、新型コロナウイルスの影響によりリモート業務が激増したため、ビデオ会議といったリモート環境における「新しいマナー」が注目を集めています。
このようにビジネスマナーは時代によって変化するもので、時代に合わないマナーは逆に「丁寧すぎる」と、相手に不快感を与えることすらあります。
地方メーカーでの体育会系研修
現在、営業として勤務する上尾拓さん(仮名・25歳)は、数年前新卒入社した地方のメーカーでとんでもないビジネスマナー研修を受けたことがあるそうです。
「もともと、その会社が体育会系であることは知っていたのですが、研修の段階で軍隊レベルでしごかれました。特にビジネスマナーに関しては営業が強い会社というのもあり、徹底していましたね」
ビジネスマナーに特に気を配っていたという前職場。上尾さんは当初、社会人とはそういうものなのだと納得していましたが徐々にその異常さに気がついていったそうです。
「最初は電話応対だったのですがまずマニュアルを渡されました。マニュアルには、電話での名乗りから応対フロー、クロージングまでが細かく書かれていて、それを丸暗記するところから始まりました。次にメンターを相手役に見立てテストをするのですが、これが難関で。1語でも間違えたり、噛んだりするとやり直しになるんです。
私は5、6回で合格しましたが、滑舌の良くない同期は何十回とやらされていましたね。最後はもう、お互いイライラして怒鳴り声でした」
悪しき研修、道端での名刺交換
非効率的な研修はまだまだ続きます。何とか同期全員が電話応対に合格すると、次は名刺交換の研修が始まりました。基本的な受け取りと受け渡しマナーを教わった上尾さん。最後に自分の名刺が配られたそうですが、喜んだのも束の間とんでもない指令がメンターから下されます。
「今から街に出て名刺を交換してこいと言われたんです。名刺の束を渡されて、100枚くらいはありましたが、すべて交換するまで帰って来るなと。同期は全員困惑していたと思います。仕方がないので駅前でひたすらスーツ姿の人に声をかけ続けましたが、当然見ず知らずの若造と名刺交換などしてくれるはずもなく」
その後、2時間ほど駅前で粘り続けたそうですが、努力の甲斐むなしく、同期の誰も名刺を配りきれずタイムリミットが訪れます。ミッションを達成できず帰社した上尾さんたちを待っていたのは、メンターの非情な一言でした。