元恋人と激しく求めあう大胆演技…瀧内公美が語る「就活と女優人生」
直木賞作家の白石一文さんの小説を、『ヴァイブレータ』『共喰い』などの脚本家、荒井晴彦さんが脚色・監督して映画化した『火口のふたり』が公開になりました。
かつて恋人だった直子の結婚式に出席するため、故郷に帰省した賢治。久々に再会したふたりは、ふたたび互いを求めあう……。キャストが2名だけの本作で、柄本佑さんと体当たりの演技を見せる瀧内公美さん(29)にインタビュー。
大学卒業後に本格的に女優業をスタートさせた瀧内さんが、物事を始めるにあたり、「人生遅いことは何ひとつない」と語りました。
演出は脚本にすべて書かれていた
――出演の決め手を教えてください。
瀧内公美(以下、瀧内):ふたり芝居であるということ、荒井晴彦さんが書かれた脚本であるということ、そして何よりお相手が柄本佑さんだったことです。
――キャストはおふたりだけですが、観ている間、そう感じませんでした。
瀧内:そうなんですよね。「おばあちゃんがさ」とか「親父が」とか、セリフでいろんな方が登場したり、想像させてくれる脚本なので、奥行きを感じさせるんですよね。だからかもしれません。
――脚本家としてではなく、監督としての荒井さんはいかがでしたか? 驚かれたことなどはありましたか?
瀧内:驚いたといったことはなかったですね。すべてが脚本に書かれているので。脚本の時点で、荒井さんの演出が入っているといいますか。説明セリフにしろト書きにしろ、自然な流れで描かれているので、それをそのままやってちょうだいよと。脚本が指示書です。余計なことをおっしゃらない方ですし、君を選んだことが演出ですという感じでした。
2作品分の映画を作り上げた感じ
――柄本さんとはいつ顔合わせされたのでしょう。
瀧内:本読みのときです。それから盆踊りのシーンでクランクインしました。その後、本編で使う写真を撮影してから、本編撮影に入っていきました。
――クライマックスの盆踊りの日を最初に撮影したんですね。
瀧内:この西馬音内盆踊りが撮りたくて、設定を原作の福岡から秋田に変えているので、実際に行われているところで撮影しました。単純に楽しかったです。ステキなお祭りだなぁ、すごいなぁと思っているうちに終わりました(笑)。
そうしたゲリラ撮影的なところから柄本さんとお芝居できたのも良かったです。本編撮影前に若いときのふたりの関係性が分かる写真を撮れたのもよかったです。若い時がひとつの作品で、本編がその続編という感じで、2作品分を作り上げた感じです。