データ不正で赤字100億円のKYB。社員のホンネと労働環境は?
労働環境について、社員のホンネは?
ところで、このKYBで働く社員の労働環境はどのようなものだったのでしょうか? 年間2000万人が訪れる企業の口コミ・給与明細サイト「キャリコネ」ユーザーの情報などをもとに紐解いていきましょう。
「年間120日休みがあり、東証一部であることから福利厚生はいいほうであると感じます。残業は部署によりさまざまでありますが、サービス残業という話は聞きませんでしたので安心していいでしょう。有給休暇も部署によりけりですが、日程を調整して上司に相談すればとれると思います。メーカーであるため、金融やほかの企業にくらべると給与水準が低いことは否めませんが、メーカーの中では悪くないと感じます。住宅関連の補助が弱いことが残念である」(機械設計・20代前半男性・正社員・2016年度)
福利厚生の充実ぶりを評価する社員が一定数いるようです。
「無理のある工期」に社員へのしわ寄せは?
記者会見で、カヤバシステムマシナリーの廣門茂喜社長は「日程を守るために作業を省いてしまった。品質重視でやるべきだった」と語りました。
工期に合わせるため、ギリギリのラインで生産をしていたようにみえます。すると、社員にもしわ寄せがきていたのでしょうか? 残業に関しては社員の口コミによると、
「残業は平均20時間/月程度。休日出勤はまれにある。残業代と休日出勤代はちゃんと申請すれば、すべて支給される。なかには土日に申請せずに出勤する者もみかけたが、最近は厳しく管理されるようになり、それも減っている。残業はなるべく減らす努力を組織的に行っているのでワークライフバランスは取りやすくなってきている」(技術関連職・30代前半男性・正社員・2015年度)
とのこと。残業は少なく、自分の時間も取ることができるように改革が行われている途中だったようです。
このように、働き方改革が進むなか、労働時間をしっかり守り、ワークライフバランスを重要視するよう社会も変化してきています。しかし、その一方で、不正を行ってしまっては、元も子もありません。
社員の生活も、そして消費者への信頼も、どちらも守ることができるよう、改善が望まれます。
<TEXT/鈴木シュンタロ データ/キャリコネ(運営:グローバルウェイ)>