「#第3の賃上げアクション」とは?中小企業が活用する福利厚生の新プロジェクト
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2025年の春闘が近づく中、企業における賃上げの動きが加速しています。特に昨年の高水準な賃上げにもかかわらず、大企業と中小企業の賃上げ格差は過去最大に拡大。このような状況下で注目を集めているのが「#第3の賃上げアクション」です。2025年1月29日に発表された新プロジェクトの内容を紹介します。
目次
賃上げの新たな潮流「第3の賃上げ」とは?
「第3の賃上げ」とは、従来の給与引き上げによる賃上げとは異なり、食事補助や家事支援などの福利厚生サービスを通じて、従業員の実質的な手取りを増やす仕組みのことです。
これにより、企業側は賃上げによる税負担を抑えながら、従業員の生活費の軽減や満足度向上、定着率の強化ができるというメリットがあります。
中小企業に広がる「第3の賃上げ」
特に中小企業においては、給与の引き上げが難しいケースが多いのが実情です。その中で「第3の賃上げ」は、少額の負担で導入しやすく、企業規模に関係なく実践できる手法として注目されています。
2024年2月、福利厚生を「第3の賃上げ」として定義し、賃上げの代替策・強化策として広めるべく「#第3の賃上げアクション」が立ち上がりました。今回発表された「#第3の賃上げアクション2025」は、株式会社エデンレッドジャパン、フリー株式会社、株式会社ベアーズの3社が連携し、福利厚生の活用をより多くの中小企業に広げることで、より働きやすく、高いエンゲージメントで社員とつながる企業が社会に広がることを目指します。
この動きの背景には、物価高や社会保険料の増加によって、実質賃金の伸びが鈍化している現実があります。実際に、実際に、2024年に行われた賃上げについて、7割以上の労働者が「家計負担の軽減につながっていない」と回答しており、単純な給与の引き上げだけでは生活の向上を実感しにくいという課題が浮き彫りになっているのです。
![2024年12月に行われた#第3の賃上げアクション『賃上げ実態調査2025』では、賃上げがあった2024年も7割以上が「賃上げは家計負担の軽減につながっていない」と回答](https://bizspa.jp/wp-content/uploads/2025/02/751514-02.jpg)
福利厚生を活用した実感できる賃上げとは?
「第3の賃上げアクション」では、以下のような福利厚生の拡充が行われています。
食事補助サービス(エデンレッドジャパンの「チケットレストラン」):企業が提供する食事補助で、従業員のランチ代を節約
生活支援サービス(フリー株式会社の「freee福利厚生ベネフィットサービス」):従業員の各種生活費を補助
家事支援サービス(株式会社ベアーズ):家事代行を提供し、仕事と家庭の両立をサポート
これらのサービスを導入することで、従業員は給与額の増加以上に、実質的な生活コスト削減を実感できるのが特徴です。
「第3の賃上げアクション」は企業と従業員の双方にメリット
「第3の賃上げアクション」は、従来の賃上げとは異なるアプローチでありながら、企業側と従業員の双方にとってメリットがあるという点で、今後さらに注目を集めることが予想されます。
企業にとってのメリット
・賃上げによる税負担を抑えつつ、従業員の満足度を向上
・採用力やエンゲージメントの向上に寄与
・労働力の流出を防ぎ、定着率を向上
従業員にとってのメリット
・生活コストが実質的に軽減され、手取り額が増加
・福利厚生が充実し、仕事と家庭の両立がしやすくなる
・実際に感じられる形での賃上げ効果が得られる
2025年の展開は「地域グロースアクション」への拡大
2025年には、「第3の賃上げアクション」を全国に広げるための「地域グロースアクション」が始動します。これは、地域ごとの企業格差を是正し、全国的に均等な福利厚生支援を提供することを目指すものです。特に地方の中小企業にとっては、大企業のような充実した福利厚生を導入することが難しい現状があるため、こうした取り組みがより重要になります。
このように、「#第3の賃上げアクション」は単なる賃上げにとどまらず、企業文化や働き方の改革にもつながる可能性があります。2025年以降、さらに多くの企業がこの取り組みに参加することで、企業の労働環境改善にどのように貢献するのかが注目されます。