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中国の日本料理店は6万5000軒!日本よりも多い日系外食チェーンとは?

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中国の日本料理店は6万5000軒!日本よりも多い日系外食チェーンとは?

前回の記事では、中国のローカルフードチェーンについて取り上げましたが、人口14億人を抱える中国では海外のフードチェーンも数多く進出しています。その中でも日本食に焦点をあてて、どのような店舗が中国に展開しているのかをご紹介します。

中国の大都市では日本食に困らない

回転寿司のイメージ
※画像はイメージです

JETRO(日本貿易振興機構)が2022年に作成した「海外有望市場商流調査(中国)」によると、2019年には中国国内の日本料理店は6万5000店に達したとのこと。日本料理店の多くは大都市を抱える中国の東側や南部の地域に集中しています。主要な都市別の店舗数は以下になります。

・上海(3,774店舗)
・北京(2,399店舗)
・広州(2,437店舗)
・深圳(1,824店舗)

在留邦人はもとより、中国人にとっても日本食は人気です。中国の経済成長に伴い、多くの中国人が旅行で日本を訪れ、日本現地の料理に親しむ人が増えました。また、日本の大衆料理チェーンが中国に進出し、低価格帯のレストランが増えたことも背景にあるようです。

店舗数が多いのはラーメン、牛丼、ファミレス

では、中国ではどのような日本の外食チェーンが進出しているのでしょうか? 店舗数の多い代表的な外食チェーンは以下になります。

・味千ラーメン
熊本発・1968年創業の豚骨ラーメン。中国ではなんと500店舗以上を展開しています(2024年時点)。ちなみに日本の店舗数は66店舗。個人的には、香港の空港で夜中にトランジットしたときに食べたラーメンの味が忘れられません。

・吉野家
北京を中心に500を超える店舗を展開しています(2024年時点)。初進出は1992年で、30年以上前から日本の味を中国で提供しています。ちなみに、日本で最も店舗数が多い牛丼チェーン「すき家」は、中国で450以上の店舗を展開しています(2022年3月時点)。

牛丼のイメージ
※画像はイメージです

・サイゼリヤ
「サイゼ」の愛称でおなじみ「サイゼリヤ」は、上海や北京、広州に450店舗以上を展開しています(2024年10月末時点)。純日本料理ではなく和風イタリアンが中国でも好まれているのは興味深いですね。

ミラノ風ドリアのイメージ
※画像はイメージです

中国へ進出している意外な外食チェーン

中国には、牛丼チェーンやファミレスだけでなく、「元気寿司」「CoCo壱番屋」なども進出しています。意外なのが「しゃぶしゃぶ温野菜」。日本だと、居酒屋が連なるような飲食街で見かけますよね。公式HPによると中国では少なくとも19店舗が営業しています。

日本のしゃぶしゃぶでは、お湯で具をすすいだ後、ごまだれやポン酢につけて食べるのが一般的ですが、中国の温野菜では、唐辛子やパクチー、ネギやニンニクなど香辛料や薬味がトッピングされたタレを選ぶことができるのだとか。まるで現地の火鍋を彷彿とさせるようなアレンジです。

中国の大都市を訪れて日本食が恋しくなったら、日本で食べ慣れた日本料理店に足を運ぶと、一味違った味覚を堪能できるかもしれません。

[参考]
行列のできるサイゼリヤ(中国) | 地域・分析レポート – 海外ビジネス情報 – ジェトロ
海外有望市場商流調査(中国)|JETRO
温野菜涮涮锅专门店|中国官网
店舗紹介 | 九州熊本豚骨 味千ラーメン
東アジア | グループ会社 | 株式会社吉野家ホールディングス
CONCEPT2022_jpn.pdf|ゼンショーホールディングス ZENSHO

Photos : PIXTA

奄美大島出身。大阪府在住のライター。 タイと中国の日本人学校に教員として通算8年間勤務。 帰国後、フリーのライターへ。 補習校講師として、オンラインで国語を教えています。

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