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梅雨の時期は、うつ病を発症しやすい?「なんとなく気分が重い」と感じているあなたに 知っておいてほしいこと。

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医師に聞いておきたいこと・上手な質問の仕方

ドクター 医師

「この人なら!」というドクターと出会い、期待と不安の中で受診が始まります。治療を有効なものにして早く回復するために、患者の立場としても、能動的に考える姿勢が必要です。

また、自分の症状については、伝え漏れがないように、事前にメモしておくとよいですね。

医師からの言葉を行儀よく受けとめるだけではなく、治療の全体像のイメージを共有することを心がけましょう。回復まで、このぐらいの期間は見ておくべきだという目途を持っておけるかどうかが、回復経過を左右していきます。

ただ、医師の立場として、「いつ治りますか?」と聞かれてしまうと答えにくいという傾向があります。「どのぐらいまでこの薬を飲むものなのでしょうか?」という聞き方のほうが、答えやすいかと思います。

完治の時期がはっきり見えなくても、どのように現在より回復していくかを見通せれば、回復後のプランも立てやすくなります。

メンタル不調は心の風邪といわれるとおり、誰もがかかる可能性があります。病気を見つけるための健康診断やがん検診のように、心の状態を見るメンタル検診があってもいいのではないでしょうか。

「なんとなく不調」という段階で適切なアドバイスを受けられれば、重症化は防げます。心の水位を保ち、楽しく生きていくため、ドクターやクリニックは心強い伴走者なのです。

元サラリーマンの精神科医が教える 働く人のためのメンタルヘルス術

『元サラリーマンの精神科医が教える 働く人のためのメンタルヘルス術 』(あさ出版)

<TEXT/精神科医・産業医 尾林誉史>

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精神科医・産業医 VISION PARTNERメンタルクリニック四谷院長。1975年、東京生まれ。東京大学理学部化学科卒業後、株式会社リクルートに入社。リクルート時代、社内外や年次を問わず発生するメンタル問題に多数遭遇、解決に向けて付き添う中で目にした産業医の現状に落胆するも、とあるクリニックの精神科医の働き方に感銘を受ける。2006年、産業医を志し、退職。その後弘前大学医学部に学士編入。東京都立松沢病院にて臨床初期研修修了後、東京大学医学部附属病院精神神経科に所属。

元サラリーマンの精神科医が教える 働く人のためのメンタルヘルス術

元サラリーマンの精神科医が教える 働く人のためのメンタルヘルス術

本書では、メンタルの変化に悩み始めた(心の水位が下がってきた)人のために、現状の把握の仕方、回復のためにやるべきこと、医療機関とのつきあい方、治療について、薬について、回復(リワーク)までの段階について、といった具体的な対処法を提案する。 事例として、30代女性(リモート体制での転職で、追い詰められ発症)、30代男性(常軌を逸した長時間勤務で倒れ、発症)の、発症から回復までの流れを追い、担当医としての著者の見解も掲載。

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