新人で年収700万円…高年収を捨てて「やりがいで働く」29歳男性の“幸福論”
最近、よく耳にするようになった「学歴不要論」。これからの時代は、高学歴を身につけるよりも、早く社会に出て能力を磨いたほうがいい、ということですが本当はどうなのでしょうか? 「bizSPA!フレッシュ」で過去に掲載した記事の中から特に反響の大きかった「学歴って本当に役にたった?」にまつわる人気記事を再掲載します(初公開2018年6月20日、情報は掲載当時のものです)。
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偏差値60以上の国立大学の法学部を卒業した池上直人さん(仮名・29歳)。ゼミの先輩に誘われて不動産に入社。ところが高額の年収をもらった池上さんは悩みます。その後、別の会社に転職することになるのですが……。
いったい何が起こったのでしょう?
不動産会社でいきなり年収700万円に
先輩に誘われて不動産に入社した池上さんは、まず営業部に配属されて、法人を担当しました。
「都心の一等地を扱う法人が多く、中には海外で大きな利益をあげる企業のプロジェクトにも参加。そのため新人なのに、いきなり年収が700万円。喜びよりも不安が広がりましたね」
長身でハキハキと受け応える池上さん。彼と対面した10人中8人ぐらいが好青年という印象を受けそうです。大学のゼミの先輩が「お前ならきっとお客に好かれるぞ」と見抜いた通り、営業成績は同期でトップ。ところが高収入をもらうと、モチベーションが上がらなくなったそうです。
この仕事を続けるのかと自問自答
「この仕事を一生続けるのかと自問自答しました。不安が広がると、自分にとってやりがいのある仕事は何かを考えました。それが分かったときに、誘ってくれた先輩に申し訳ないけど、退職するしかないと思いました」
もともと弁護士になりたかった池上さん。
「ところが、中学のときに両親が離婚してしまい、それから男手一つで育ててくれたオヤジが、大学生入学してすぐにリストラされたんです。しかも交通事故が原因で足が不自由になって、オヤジを安心させるために、弁護士を断念したんです」