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「5%に仕事が集中」現役声優が明かす、コロナで顕在化した業界の懐事情

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ゲームのほうがお金になる?

給料袋 紙幣

 このランク制度に基づく計算によれば、「ジュニア」の人たちが年に300万円を稼ぐためには単純計算で年間に300本以上の出演が必要となる。「ゲームやナレーションなど、アニメや吹き替えの収録よりも単価の高い仕事が入れば食べていけます」(福宮氏)とのことで、やはりアニメや吹き替えの仕事は単価が低いらしい。

 ちなみにゲームであればワード数・セリフ数でギャランティが決まるケースが多いらしい。

「当然、制作会社やタイトルにより単価はかなり幅があるため、一概に『ゲームだから高い』とは言い切れません。ナレーションに関してはケースバイケースですが、近年の不景気の煽りを受け、かなりのベテランナレーターでも単価が落ち込む傾向にあります

人気声優に仕事が集中する一方で

 声優も一般的な仕事同様、経済状況に左右されやすいようだ。とはいえ、アニメは日本を代表する産業のひとつであり、毎年数多くの作品が制作されているわけで、声優の需要も多いように感じる。

 VOICTIONは「どの時期と比較するのかによって変化しますが、例えば製作されるアニメの本数は2017年の356本をピークに減少傾向にあります」としつつも、「スマホゲームの普及により、例えば10年前と比べると声優の仕事自体は増えていると感じます」と需要の高まりを訴える。

「ただ、一部の人気声優に仕事が集中しているおり、“仕事の機会を得られる声優”が増えているとは言い切れません。現在、『声優は1万人程度いる』と言われていますが、感覚としてこの仕事の7~8割程度を約5%の人気声優がこなしており、残りの2~3割を約9500人が取り合っているといった状況にあると思います」

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