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NY金融界出身の「ヤマトのり」4代目社長が、コロナという難局から学んだこと

ビジネス

難局を打破するために必要な2つのこと

ヤマト株式会社

「前者(用途の開発)で言えば、ニッチな需要を抑える新商品を生み出し、新たな利益創出を図ることが大事だと考えています」と、長谷川氏は語る。

「その一方、新商品は年に何度も出せるわけではないため、販路の拡大もすることで、より多くのお客様にヤマトの商品を知ってもらうタッチポイントを増やすのも大切になってきます。先述したアウトドアテープは、キャンプやアウトドア用品を扱うお店でも取り扱っていただいているので、ライフスタイルに寄り添った使い方の提案をしていきたいです」

 今後の展望としては、これから創業125周年が間近に控えているほか、アラビックヤマトの50周年が3年後の2025年に迫っているので、社員一丸となってブランドバリューの向上ができるように努めていくという。

世界に出やすくなった今、必要な視点とは

 最後に長谷川氏へ、ビジネスパーソンに向けてのメッセージを語ってもらった。

「今はデジタルが発達しているので、テクノロジーをうまく活用しながら仕事に邁進していくといいと思います。あと、私自身は海外での経験が今の経営にすごく活きていることもあり、世界で仕事してきたからこそ、日本の良さがわかるんです。昔よりも世界に出やすくなったからこそ、グローバルな視点を持って、キャリアを積んでいってもらうといいのではないでしょうか」

 長谷川氏が海外のプライベートバンク出身ということで、取材前は硬派な印象を抱いていた。だが実際は、気さくに色々とお話いただけたことにいい意味でのギャップを感じた。「若手と話すことが好き」とのことで、普段の何気ない雑談から思わぬアイデアが生まれているのかもしれない。

<取材・文・撮影/古田島大介>

1986年生まれ。立教大卒。ビジネス、旅行、イベント、カルチャーなど興味関心の湧く分野を中心に執筆活動を行う。社会のA面B面、メジャーからアンダーまで足を運び、現場で知ることを大切にしている

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