ミニストップが“ソフトクリーム専門店”を出すワケ。「飲むソフトクリーム」な味に驚き
テイクアウトで新たな購買層を発掘
コロナが向かい風となったのかと思いきや、デリバリーとテイクアウトの試みによって、新たな購買層を発掘できたともいう。
「もともと、商材としてのソフトクリームの良さは『即時消費』性にあると考えていました。持ち帰りができないからこそ、その場だけでのお楽しみに特別感がある、と。一方、普段おうちで食べることができないソフトクリームがおうちで食べられたら、それも特別な体験ですよね。『おうちソフト』として、新たな食体験の定着を目指しています。
加えてテイクアウト需要に応えられることで、単価にも変化が。お店で食べるだけだと来店人数分のみですが、そのご家族分まで購入してもらえる場合もでき、大きく変わりましたね。もっといえば、『MINI SOF』をご利用いただくお客様の層が幅広いのも、功を奏したかもしれないです」
「ミニストップらしさ」を出すことにした
社会意識の変化は大きいが、それでも「スイーツ=若い女性のもの」と先入観を持ってしまう人もまだまだ多い。ところが、「MINI SOF」では3割が男性客というから驚きだ。
「『MINI SOF』のルーツとなった店舗は、今の店舗とちがって『ミニストップらしさ』を店名しかり、カラーリングしかり、一切出していなかったんです。スイーツの専門店らしさを前面に押し出していたのですが、かえってミニストップのよさを殺しているのではと思い至り、現在のようなブランディングになりました。
コンビニの強みは、老若男女問わずだれでも気軽に来店してもらえること。ミニストップらしさをあえて生かし、スイーツ店への来店ハードルを下げる方向に舵を切ったのです。レジも牛丼チェーンのように、対人ではなく券売機制を導入しました。こうしたかいあってか、おかげさまで単独の男性客をはじめ、さまざまな層のお客様に来店いただいています」