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子どもでも運転できる新幹線が存在するってホント?知れば得する新幹線の雑学

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東京~大阪を67分で結ぶ中央リニア新幹線

リニア

 山梨県の富士山の北側にある山梨リニア実験線は、「中央リニア新幹線」の実現を目指す国家プロジェクトとして、1990年に設けられたものだ。

 中央リニア新幹線とは、東京から神奈川県、山梨県甲府市付近、長野県、岐阜県、名古屋市付近などを経由して大阪に至るルートの新幹線だ。その最大の特徴は、リニアモーターカーを使用した新幹線だという点。リニアモーターカーは、レールに車輪を回転させて走る従来の鉄道ではこれ以上のスピードアップが難しいとされ、新たに考案された画期的な輸送システムである。

 リニアモーターカーは、車両に「超電導磁石」を積み、磁力で浮いて走行する。物質をある温度以下に冷やすと電気抵抗がなくなる現象を「超電導現象」というが、これを利用すると、一度磁石に電流を通しただけで、半永久的に磁界が発生し、高速運転が可能になる。理論上は、時速500キロメートル走行が可能で、中央リニア新幹線は、東京~大阪間をわずか67分で結べる計算になる

リニアでは運転士が消える!?

 中央リニア新幹線が開業すると、運転の仕組みも大きく変わることになる。なんとリニア新幹線からは運転士の姿が消える可能性が高いのだ。

 リニアモーターカーは時速500キロメートルものスピードで走行するだけに、あまりの速さで目視による運転ができない。また、リニアモーターカーは、車両のモーターで加速や減速するのではなく、地上のコイルの電流を制御して列車を運行させるシステムなので、運転は運転席ではなく地上で全操作を行なうことになる

 よって、中央リニア新幹線には運転士が必要なくなるのだ。ただし、巨額の建設費をはじめ難問が山積しているため、1990年のプロジェクト始動以来、具体的な実現の動きはこれまでなかなか前にすすまなかった。

 2013年9月、JR東海は2027年に東京~名古屋間、2047年には大阪までの全線開業を目指すとの具体案を表明し、2014年12月に着工した。東京~名古屋間は最速で40分、東京~大阪間は最速で67分の見込みだとも述べた。しかし、水資源への影響を懸念する静岡県での工事が認められず、2027年の開業は難しくなってきている

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