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投票先はどう選ぶべき?参院選候補者の“ライブパフォーマンス”を楽しもう

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候補者の当選=勝ちではない

投票

※イメージです

 僕の場合、国政選挙では自分が投票した候補が当選しない経験が20年ほど続いていました。僕の住む東京8区は“石原王国”とも称されるほどで、10期連続で石原伸晃さんが当選していたんです。これを2021年衆院選で、立憲民主党の新人の吉田晴美さんが破った。石原さんが通らないことがあるんだなって確認できたんです。でも、その結果が自分にとっての達成かというと違います。

 勘違いをしている人が多いので説明しますね。まず、参議院選挙は国政選挙ですから、候補者は国民の代理人にあたるわけですが、例えば、51対49で当選したら、当選者は残りの49票も含めた全体のための代理人になるわけです。だから、この代理人の勝ち負けは自分の勝ち負けではないんです。

 民主主義において、主はあくまで自分なので、誰が代理人であろうと、本来なら有権者の意見が尊重されます。選んだ代理人がうまくやらなかった場合は、選挙やリコールで交代させることができる。これも僕ら国民が主であるからです。

 ただ、主であるからには役割もあります。代理人に任せて知らんぷりをせず、自分たちが選んだ上でちゃんと仕事をやっているのかを日頃から確認することです。そこで初めて代理人の働きを評価できる。つまり選挙活動とは、その代理人候補が「私にやらせてください」って手を挙げることなんです。

まず候補者の意見を聞いてみる

 ただ、候補者の中で100%あなたの意見に合致する人はなかなかいないでしょう。だから、自分の考えに近い人を見つけるために、そして、そもそも自分の考えを確認するためにも、各候補者・政党の意見や情報を知る必要があります。選挙に参加することは、自分を理解するためでもあるんです。

 実は、選挙前に日本記者クラブ主催の党首討論が行われています。僕はこれ、選挙期間中は毎日やってくれればいいと思いますが。ただ、日本記者クラブや各新聞社のYouTubeチャンネルなどでノーカットで見られるので、ぜひ見てみてください。

 僕は、国民を主として考えたときには、選挙前に考えていることをとことん全部出してくれと思っています。候補者があっちこっちで街宣をしますが、それとは別に、国民はNHKの受信料を払っていますから、期間中は毎日候補者の討論をやってくれてもいいくらいです。これがなかなか実現しないのが残念ですね。

 あと選挙が終わった後に「実はこういうことを考えている人なんです」みたいな情報が急に出てくるのは非常にイビツだと思うので、主である民としては選ぶときに情報が欲しいって強く主張したいです。NHKは政見放送だけではなく、さまざまな論点に基づく候補者の考え、これまでの実績の検証を少なくとも選挙期間中はどんどんやって欲しいと思いますね。

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