<漫画>「風俗やってる」と書き込まれて絶望…ネット炎上から身を守るには
日夜SNSを騒がせる“炎上”。いつ自分が当事者になってもおかしくない、身近な社会問題でもあるわけだが、これに対して真っ向から切り込んだ漫画作品がある。現在電子漫画雑誌「黒蜜」(白泉社)で連載中の『しょせん他人事ですから ~とある弁護士の本音の仕事~ 1 』(原作:左藤真通、作画:富士屋カツヒト、監修:清水陽平)だ。
本作の監修を担当する清水陽平弁護士はSNSと法律のパイオニア。今回は各電子書籍サイトで話題を呼んでいる本作のみどころや、最近の炎上事情について語ってもらった。また、インタビュー記事後に『しょせん他人事ですから~とある弁護士の本音の仕事~』の第1話を掲載。「風俗をやってる」というガセネタがきっかけで炎上した人妻ブロガーを描いています。お見逃しなく!
【マンガ】⇒『しょせん他人事ですから~とある弁護士の本音の仕事~』を読む
もともとは取材だった
――「しょせん他人事ですから~とある弁護士の本音の仕事~」の監修を担当することになった経緯を教えてください。
清水陽平(以下、清水):黒蜜で「ネット炎上、SNSトラブル、悪質な誹謗中傷」からの「情報開示請求、情報開示仮処分、損害賠償(訴訟)」というネットとSNSが普及した近年ならではの問題・出来事を舞台にしたマンガを作りたいので、実際にどのようなトラブルがあるのか等の取材をしたいという打診をいただきました。
その際はあくまでも取材だったのですが、当方から内容も複雑になってくることや、連載前提とのことであったので、法律監修という形のほうがよいのではないかと、こちらから提案をさせていただきました。結果として、社内決済をいただいたようで、法律監修として本作に携わることになりました。
リツイートするだけでも「加害者」になることも
――法律の専門家の視点から見た本作の見どころはありますか?
清水:SNSと法律トラブルに関して、実務をそのまま描いていると思いますね。フィクションですので多少のデフォルメもありますが、そういう部分にも現実と異なる場合があると注訳を入れています。各エピソードも具体的にどの案件というわけではないですが、実際にある例を下敷きにしています。SNSトラブルに巻き込まれて法的措置を取る際はこういうふうに進むんだなと、かなり理解してもらえるのではないでしょうか。
――SNSの使い方に気をつけようという風潮は強まっているように感じます。ですが、どう気をつければいいかわからない面もあるのではないでしょうか?
清水:権利侵害かどうかは状況次第という側面がありますからね。同じ言葉を使っていても、侵害になる場合とならない場合があり、「これを言ったらNG」と示しにくいのです。また、SNSの仕組みも関係してきます。作中でも紹介していますが、自分が意図的にしたツイートではなくても、他人がつぶやいたデマや誹謗中傷をリツイートしていた結果、賠償が認められた裁判例もあります。