なぜ新卒に「初任給40万円」を払うのか?社長に聞いた、意外なメリット
「初めから高給」の企業は近年増加傾向に
オデッセイに限らず、近年はこの「初めから高給」の風潮があるという。
「この手法は以前からありましたが、現在ではDX時代であることに加え、人材争奪戦と若年層の人手不足もあり、また流行りつつあります。最近では、日本の大手企業も外資系企業を意識して取り組み始めています」
他の日本企業も見倣うべきかもしれない。ただし、注意点はあるという。
「初任給を高く設定する場合、もともといた社員の給与額との整合性は問われます。また若手に高給を支払うことにより、この企業は人材を使い捨てにしているのでは、と穿(うが)った見方をする人もいることでしょう。働く人の実態を、企業は丁寧に伝えなくてはなりません」
近年、増えてきているという初任給から高額を出すという取り組み。しかし、ただ単に上げればいいというわけではない。オデッセイのように「従業員の満足度向上=顧客の満足度向上」といった、背景にある想いが重要といえそうだ。
<取材・文/一ノ瀬聡子>
【秋葉尊】
株式会社オデッセイ 代表取締役社長大学卒業後、NECにて20年にわたりソリューションセールスとマーケティングを担当。2003年株式会社オデッセイ入社。2011年4月より代表取締役社長。一般社団法人タレントエコシステム・コンソーシアム監事。専門領域は人事関連ソリューション全般、SAP SuccessFactors関連ソリューション全般、タレントマネジメントやHRTech、RPAにも精通
【常見陽平】
働き方評論家。千葉商科大学国際教養学部准教授。1974年、北海道札幌市出身。一橋大学商学部卒業、同大学院社会学研究科修士課程修了。『社畜上等!――会社で楽しく生きるには』など著書多数
■Twitter:@yoheitsunemi