なぜ新卒に「初任給40万円」を払うのか?社長に聞いた、意外なメリット
公平で分かりやすい評価を実現
秋葉氏は「仕事の量と質を自分で最終決定できること=自分のやりたい仕事ができること」であり、社員満足度の向上にもつながるという。
「実力主義の人事評価を行う場合、評価の公平性や明瞭性は非常に重要です。そのため当社では、PIMSを活用することによって、個々の業務生産性を把握し、数値化することと、コンサルタントのランク、等級ごとに会社が求める生産性を明確に規定することにより、公平で分かりやすい評価を実現しています。
当社で活躍している20代の若手社員の特長は、向上心が高く、そして新しいスキルの習得が早いところと感じています。そしてPIMSをよく理解し、有効に活用しているため、早く昇進・昇給していきます」
今後の展望については「今後も方針を変えず、ポテンシャルの高い人材を採用し、育成することでお客様に満足いただけるサービスを提供し続けられる体制を維持、強化していきたいと考えています」と秋葉氏は述べた。
メリットは人材獲得と定着、ブランディングにも
初任給に高給を支払う。こうした企業の取り組みはどのような効果を生むのか。千葉商科大学准教授で働き方評論家の常見陽平氏は次のように述べる。
「初任給、さらには20代、30代など若手の給料を、成果を挙げた人だけに限らず上げることは、採用広報上のインパクトもあり、人材獲得と定着に貢献することがあります。
オデッセイは人材ビジネス企業。このような企業は、企業の人事を相手にビジネスを行うため、自らが尖った人材マネジメント施策を導入することがよくあります。自社のブランディングにもつながっているのです。そもそも『日本の給料や賃金の上がり方は最適なのか』という疑問は根強く、賃上げの議論も盛り上がりを見せています。同社の取り組みはこれにも一石を投じるでしょう」(常見氏、以下同)