元リクルートの産業医が教える五月病対策。メンタル不調を示す4つの特徴
3)3大欲求(睡眠欲、食欲、性欲)が弱くなっている
3大欲求の中の睡眠について、一般的には「よく眠れていますか?」という聞き方をしますが、それだけではわかりにくいことがあるかもしれません。
・スムーズに寝付けるか
・途中で目が覚めないか
・やたら早くに起きてしまわないか
・起きたときによく眠れたと感じられるか
以上の4つの点で考えてみるといいでしょう。どれかが引っかかるなら、よく眠れていないということになります。4つ目の、「よく眠れたと感じられるか」というのが特に大事です。
食欲に関しては、小食の方から大食の方までいますし、いつも1日に1食しか取りませんという方から、細かく何食も取るという習慣の方まで、さまざまです。その方の、もともとの食事習慣と比べてどうなのかというのが、ポイントになります。
また、心の水位が下がっているときには、性欲もおおむね減退するもので、抑うつ状態が回復していっても、性機能障害が最後まで取り切れないという場合もあります。いろんな意味でのクオリティー・オブ・ライフが下がってしまいますので、ご自身としても確認をすべき点でしょう。
4)おっくう感があって、やる気が起きない
何をするにもかったるいとか、やる気が起きないとか、おっくう感・倦怠感がありませんか? 具体的に言うと、掃除とか、片付けとか、食事の準備といった、日常生活を送るうえで必要なことも、やる気が起きない。何か食べようとは思っても、買いに行く、お弁当のパッケージを開ける、温めるのが面倒くさくて食べられないという方もいます。
これは食欲がないのではなくて、おっくう感が強いということです。お風呂に入ったり、トイレに行ったりすることまでも面倒くさくなります。人と話したくない、人と接するのが煩わしい……。メールやLINEが来て、返事をしなくてはと思っても、とにかく面倒くさい、後回しにしたいと感じるかどうかです。いずれの場合も、大事なのは期間です。
たとえば雨の日に、その日だけ、「おなかすいたな。冷蔵庫に何も入ってないし、なんか買いに行かなきゃだけど、ぬれるのが嫌だしな、1食抜くか」となるのは、当てはまりません。他に理由も見当たらないのに、2週間以上こういう状態がずっと続いているというのが、チェックすべき状態です。