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閑散とした“バブル期の観光地”に「1日1組限定キャンプ場」が。企画した26歳経営者の思い

コラム

立ちはだかる法律の壁も創意工夫で

かたくられん

清里駅の目抜き通りにはバブル期を偲ばせる、メルヘンな建物が当時のまま残されている

――キャンプ場の開業に向けて苦労されている点はありますか?

かたくら:当初は宿泊施設を建てようと見積もりを取ったのですが、それだと初期投資の回収が難しいと判明して、1日1組限定の貸切キャンプ場として運営することにしました。これにより開業費用はだいぶ下がりましたが、それでも1000万円はかかります。前面道路の水道管が細いので、大量の水を使用するには離れた場所の太い水道管から新規引き込み工事が必要で、それだけで200万円かかったりと大変です。

 お金の面だけでなく、法律のこともあって、小屋サウナを建てて運営すると「公衆浴場法」で定める基準を満たす必要があります。これがハードルが高くて設備に3000万円くらいかかってしまう。

「テントサウナを貸し出す」というスタイルにすれば、規制もなくてお手軽なのですが、僕自身サウナーでテントサウナを体験したうえで言うと、正直、温度上がりにくく「整いずらい」と感じる面がありまして。これだとお客さんの満足度も下がってしまうと危惧しました。

「サウナトラック」を作る構想も

かたくられん

清里の人気スポット、萌木の村。おしゃれな雰囲気のレストランで飲食が楽しめる

――テントサウナでは、サウナーが満足しない可能性があるのですね。

かたくら:そこでいろいろな可能性を模索した結果、2トントラックの荷台に樽状のバレルサウナを載せる「サウナトラック」を作る構想を進めてます。トラックをキャンプ場の備品としてレンタルする建て付けだと、規制する法律は今のところ特になさそうなので。サウナ室は4~6人収容で、温度は100度を超える想定、もちろんロウリュもできます。

 清里は名水の里として知られているので、北杜市の許可が必要なためまだどうなるかはわからないですが、井戸の掘削も挑戦したいです。サウナーの間で通称“シングル”と呼ばれる10℃以下の冷たい水風呂を、水質の良い地下水で実現できたら施設のウリになります。

 ジブリ映画に出てきそうなレトロな手押しポンプを使って、井戸水を汲んで水風呂を貯める体験ができたら、若い人が面白いと感じてくれると思います。

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