なかなか成果が出ない…日本の大企業はなぜ「BtoBマーケティング」が弱いのか
米国ではマーケティングシステムがすでに普及
1990年にシンフォニーマーケティングを創立し、BtoBにフォーカスしたマーケティングサービスを提供してきた庭山一郎氏によれば、米国では2000年からBtoB向けのマーケティングシステムが普及し始めたそうです。世界最初のMA(マーケティングオートメーション)ツールであるEloqua が普及の発端となり、その後Marketo、HubSpot、Silverpop などのMAツールが次々と登場しました。
ところがこれらのツールを日本国内で活用したのは外資系企業ばかりで、日本企業にはほとんど普及しませんでした。
それには理由があります。MAを一言で説明すると、マーケティング部門が営業部門に引き渡すための見込み客(リード)を育成するツールです。したがって主にマーケティング部門が利用するツールということになります。
欧米型の「マーケティング組織」が存在しなかった
ところが日本のBtoB企業では長い間、マーケティングからカスタマーサービスまでを一貫して営業部門が担当してきたのでした。もちろんマーケターも存在していますが、多くは営業部門に所属するか、営業本部の下にマーケティング部門が存在するという形でした。欧米型の「マーケティング組織」が長らく存在しなかったのです。それではマーケティング人材も育ちませんし、育てる人もいません。
日本企業はシステムを自社向けにカスタマイズすることを好みます。しかしマーケティングで負けているのであれば、自社のマーケティングに合わせてシステムをガチガチに作り込むより、海外のマーケティング標準を取り入れたシステムに自社のマーケティングを合わせるほうが絶対に有利なはずです。
私たちはこうした考えに基づき、マーケティング、セールス、サポートを一元的な顧客情報管理(CRM)に基づいたデータベースに連携した「HubSpot CRMプラットフォーム」(以下HubSpot)を推奨し、導入サポートのコンサルティングを通じて、多くの企業のBtoBマーケティングを支援してきました。